2020 Fiscal Year Research-status Report
自律性の育成の観点からみる反転授業の可能性-長期的な観察から-
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19K13265
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
奥田 阿子 長崎大学, 言語教育研究センター, 助教 (60631249)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 反転授業 / 自律性 / アクティブラーニング / 予習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英語学習の自律性の育成という観点から長期的に反転授業の効果測定を行うものである。 1年目で行った反転授業及びアンケート調査をもとに、授業計画をたてて授業を実施した。1年目と同様に、15回分の授業を全て反転授業にするのではなく、短期間での効果測定を行うために、初めの6回は通常授業、残りの9回を反転授業とした。アンケート調査は、通常授業の終了後と反転授業終了後の2回実施した。また、来年度の授業計画に反映するため、授業の改善点、感想など自由記述方式でのコメントも求めた。しかしながら、2年目はコロナの影響があり、オンライン授業がメインになったため、1年目と同様の授業形式で授業を行うことはできなかった。 2年目に行ったアンケート調査結果によると、オンライン(リアルタイム)授業になったことから「グループワークのしにくさ」や「学習意欲の維持の難しさ」を訴える学生が多くいることが分かった。しかし、オンラインの授業であっても対面授業と同様に、反転授業を実施することで授業への準備、予習がしやすかった点が学生から評価された。また、予習を行うことによって、授業に参加しやすいというコメントが多くあった。5件法を用いたアンケート調査からは、オンラインをベースとした反転授業では、成績への効果は確認されたが、自律性の育成という点において効果は得られなかった。以上のことから、反転授業による自律性の育成は、授業が対面かオンラインなのかによって大きく左右される可能性があること、オンラインでの授業の際はより授業設計に注意をしながら学生との意思疎通を図ることが肝要であることが2年目の調査より明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響で通常の対面授業ができなかったことから、1年目と同様の授業を行えていない。今後も同じような状況が続く可能性があり、1年目と同様の対面授業を行える見通しが立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、対面授業をベースにした反転授業について研究を進めるのではなく、オンライン授業を想定した授業を実施することにする。できる範囲で授業設計、反転授業とアンケートの実施、分析を計画通りに行っていきたい。特に、授業設計では、2年目の改善点を活かし、いつ、どのタイミングで、どんな教材を学生に予習用教材として提示するのか、教員との意思疎通の方法など念密な授業設計を行うことにする。
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Causes of Carryover |
学会への参加もオンラインになり、コロナの影響で旅費を全く使用できなかった。今年度は、状況が許せば、他大学の視察などを行いたい。
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Research Products
(2 results)