2022 Fiscal Year Annual Research Report
Develop an effective English teaching method by utilizing machine translation--from a perspective of writing teaching
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19K13268
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Research Institution | Jobu University |
Principal Investigator |
佐竹 幸信 上武大学, ビジネス情報学部, 講師 (20815807)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械翻訳 / 第二言語習得 / ライティング / 英語学習法・指導法 / 日本の英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人大学生に従来型の英語ライティング指導法(自身が書いたものに教師からフィードバックをもらう)と機械翻訳を使用した新しい英語ライティング指導法(日本文を機械翻訳を使って英文に訳させ、そこでどんな表現や構文が使われているかを学ぶ)を施し、彼らが最後に書いたライティングをネイティブスピーカーに評価してもらい、両者を比較した。その結果、「論理的連結性」、「言語的正確さ(文法など)」、「スペル」等に関しては前者の指導法を受けたグループの方が評価が高かったが、「言語的適切さ(文体など)」や「語彙」に関しては後者の指導法を受けたグループの方が、統計的有意差はないものの、概して評価が高かった。この結果から、機械翻訳の使用が文体学習や語彙習得の促進に一定の効果があることが示唆された。一方、被験者とのインタビューの内容から、彼らが機械翻訳中で使用されている語彙や表現を見て「ショック」を受けていたことが判明した。長年「学校英語」に慣れ親しんできた彼らにとって、膨大な用例の「ビッグデータ」に基づいた機械翻訳の語彙や表現の使い方は、かなり「新鮮な」ものであったことが予想された。また、中学・高校時代に「インプット」としては定着していた語彙や表現も、機械翻訳の中での訳し方を見て、「こうやって使うのか」とあらためて「アウトプット」の仕方を学べたという声が多数聞かれた。このような機械翻訳に対する感情的なリアクションが、彼らの語彙や表現についての長期記憶へとつながり、最終的に上記の統計的調査の結果に至ったものと予想された。このように、機械翻訳の使用は少なくとも語彙や表現の学習にとって有効な学習ツールになり得ることが示唆された。これらについては『Second Language Acquisition and Machine Translation』という一冊の書物にまとめた。
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