2021 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of task repetition on the development of speaking proficiency
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19K13274
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
半沢 蛍子 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 講師 (20755772)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 繰り返し練習(Task repetition) / 自己修正行為(self-repair) / 発話生成モデル / 発話流暢性 / 練習スケジュール |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで多くの研究によって、「同じ話題を反復する練習」がスピーキング能力の向上にとって効果的であること、そしてこの効果は、同じ内容を繰り返し話すことで発話の内容面から言語面に注意が移行することによってもたらされると指摘されてきた。しかし、これまでの研究では実際に学習者が2回以上同じ課題を繰り返すことで、どの程度言語面に注意が向けられるのかについては明らかになっていなかった。本研究では、注意の移行を自己修正行為(self-repair)から観察し、自己修正行為の頻度が繰り返し練習中にどのように変化するか、そしてその変化が発話流暢性の発達にどの程度寄与するかを検証することを目的としていた。本研究が達成されることで、研究面としては、これまで別々の課題として取り組まれてきた自己修正行為研究と繰り返し練習とを統合し、また教育面においてもスピーキング指導や評価への応用が期待できると考えていた。 2021年度にはデータの測定・分析を進め、学会の発表と論文の作成を行なった。分析の結果として、自己修正行為は2つの種類があり、それぞれ異なった変化をすることが分かった。一つは発話生成を行う際の概念化に関連し(語用・意味・単語の選択に関わる)、練習回数が増え、学習者の注意が内容→言語→内容と移行するに従って、その頻度が変化することが分かった。もう一つは符号化(文法的・調音的なプロセスに関わる)に関連するが、こちらは練習回数が増えても頻度に変化は見られなかった。また研究当初の予測と反して、自己修正行為の頻度は発話流暢性の発達に関連していなかった。この結果は、繰り返し練習だけを行なったために、期待するほど言語面に注意を向けられなかったことを意味すると考えている。
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