2020 Fiscal Year Research-status Report
A cross-sectional study of the acquisition of English resultative constructions and passive constructions by Japanese EFL learners
Project/Area Number |
19K13284
|
Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
平野 洋平 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40803151)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 第二言語習得 / 結果構文 / 受動構文 / 移動構文 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
母語と対象言語における動詞の項構造の現れ方の違いが対象言語の習得に与える影響は、第二言語習得研究の分野における重要なテーマの1つであり、より多くの研究が必要とされる。本研究は、日本語を母語とする英語学習者を対象に、日英語間で項構造の現れ方が対照的な2つの構文(結果構文と受動構文)の習得の検証を行うものである。 2020年度は、広島大学英語教育学会学会誌「英語教育学研究」に寄稿した「日本人英語学習者が産出する英語移動表現:移動の「様態」に着目して」が掲載された(2020年6月)。また、外国語教育メディア学会関西支部基礎理論研究部会にて「英語の移動表現と状態変化表現に対する容認性判断再考:日本語を母語とする大学生を対象に」を口頭発表した(2020年7月)。 前者は、結果構文の産出面を調査する上での手法を確認・修正するために位置付けた研究である。母語の影響という点において、同構文の容認面を調査した研究結果との類似性が見られなかった。また、学習者が産出するの様態表現の特徴を踏まえ、具体的な指導法についても言及した。後者では、移動構文・結果構文の習得(容認面)に及ぼす動詞の特性を報告するとともに、学習者が母語の影響を受けて、不自然な両構文の迂言的英語表現を容認し続けることを報告した。 夏以降は、更なる検証実験(主に受動構文の習得を取り扱うもの)の準備を進めた。しかしながら、COVID-19の影響を受け、校務に割かなければならない時間や労力が激増したために計画していたほどには捗らなかった。また、実験参加者との実験実施に向けての調整も難航している状況である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のとおり、研究をある程度進められてはいるものの、予定していたほどの進捗ではない。これには大きく2つの理由がある。1つは、今年度から新たな校務分掌の業務にあたることになり、予想していた以上に多忙になったこと。もう1つは、COVID-19の影響を受けたことである。特に後者は、校務分掌の業務のみならず、遠隔授業の準備や支援など、さまざまな校務に影響を及ぼしたため、研究に十分な時間と労力を割くことができなかった。また、更なる実験実施に向けて準備を進めているが、実験参加者とのスケジュール調整にも影響を及ぼしている。
|
Strategy for Future Research Activity |
理論面と実践面の双方に対して貢献のできる研究につなげるために、理論言語学的な分野や狭義での第二言語習得の分野の先行研究だけでなく、英語教育などの実践面における先行研究で報告されている知見にも配慮する必要があると考えている。 また、当初は学習期の異なる学習者を対象に、容認面と産出面両方の実験を同じ時期にまとめて実施することを検討していたが、段階的な実施をする方向で調整を進める予定である。COVID-19の状況がある程度落ち着いた時点で実験実施に着手する予定である。必要に応じて、オンラインでの実験実施も検討しておくつもりであるが、そのためには、1つ1つの実験内容を丁寧に再検討する必要があると考えている。データが集まり次第、分析および報告(学会発表・論文執筆)に取り掛かる予定である。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響を受け、予定していた実験が実施できなかったこと、また、予定していた学会参加がなくなった(オンラインに切り替わった)ことが主な理由として挙げられる。本年度は、実験に必要な人件費・謝金、文献収集の費用、複数の学会参加・発表のための費用,および,論文校正にかかる費用として研究費を使用する計画である。
|
Research Products
(2 results)