2021 Fiscal Year Research-status Report
Extensive Viewing and Vocabulary Learning
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19K13294
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
日高 佑郁 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 助教 (60782539)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語教育 / 語彙学習 / 多視聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語の多視聴(extensive viewing)活動が語彙学習に与える影響を調査し、多視聴による語彙学習を効果的に促進するための方法を提案することを主目的とする。令和三年度は、令和二年度に収集したデータの分析を行なった。具体的には、約120名の被験者を対象に行われた、映像教材、語彙テスト、内容理解度テスト、アンケートを使用した二種類の実験のデータを分析し、①語彙学習を目的とした多読、多聴、多視聴タスクに対する学生の嗜好調査と、②聴解活動と視聴活動を通した内容理解とテキストの語彙のカバー率の関係の調査を進めた。①の調査は、学術語彙を学習するための自律学習として行う多読、多聴、多視聴(字幕あり、字幕なし)について被験者(日本人大学生)がどのように捉えているかを調べるもので、データ分析の結果、被験者が特に聴解活動(リスニング)に対して苦手意識を抱えていること、字幕なしの多視聴は有効性が低いと感じていたこと、字幕付きの多視聴が最も楽しめると感じていたことなどが明らかになった。②の調査は、聴解活動と視聴活動を通して学術的なテキストを理解しようとする際、語彙のカバー率と理解度テストのスコアに関連性が見られるかを調べるもので、データ分析の結果、語彙のカバー率が低いとき、視聴活動の内容理解度テストのスコアが聴解活動の内容理解度テストのスコアよりも高くなったことが明らかになった。 視聴活動を行うことは、学習者が楽しんで取り組めることに加え、語彙レベルの高い教材でも内容を理解しやすくなるという利点があることが明らかになり、視聴活動による学習の有効性を裏付ける結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和三年度はデータ分析の結果をもとに論文の執筆を行う予定であったが、データ分析に当初予定していたよりも時間がかかってしまったため、論文の執筆に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和四年度は、令和三年度に分析したデータから得られる研究結果をもとに論文の執筆を行う。
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Causes of Carryover |
令和三年度もコロナウイルス蔓延の影響により出張計画等に変更が生じ、旅費の使用等が行われず、結果的に予算の執行に大きく変更が生じた。次年度の学会参加費等に補填して使用する予定である。
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