2021 Fiscal Year Annual Research Report
英語コロケーション知識の習得における集中学習と分散学習の効果
Project/Area Number |
19K13306
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中田 達也 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (00758188)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 英語教育 / 第二言語習得 / 語彙習得 / 分散効果 / コロケーション / 集中学習 / 分散学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英語におけるコロケーション知識の習得において、集中学習・分散学習がどのような役割を果たすかを調査することであった。集中学習・分散学習がコロケーション知識の習得に与える効果を調べるため、日本語を母語とする高校生を対象とした実験を行った。実験では、参加者が動詞+名詞からなる27のコロケーションを3週間にわたって学習した。参加者はノード集中・コロケーション集中・コロケーション分散条件のいずれかに割り当てられた。ノード集中条件では、同じ動詞を含む3つのコロケーションを同日中に学習した。コロケーション集中条件では、同じ動詞を含む3つのコロケーションを1週間の間隔を空けて学んだ。コロケーション分散条件では、同じ動詞を含む3つのコロケーションを同日中に学習し、これが1週間おきに3回繰り返された。 学習の成果は、学習の直後および2週間後に行われた事後テストによって測定された。事後テストでは、既習項目と未習項目の2種類が出題された。既習項目とは、実験で学習されたのと同一のコロケーションである。未習項目とは、実験で学習されたコロケーションと同じ動詞を含むが、共起する名詞が異なるものである。 分析の結果、既習項目においては、コロケーション分散、コロケーション集中、ノード集中条件の順に効果的であることが示された。一方で、未習項目では、コロケーション分散条件の効果が最も高く、それ以外の2条件の間に有意な差は見られなかった。 本研究は分散学習がコロケーション知識の習得を促進することを示しており、この結果に基づいて効果的な語彙学習法・指導法を提案することが可能になったという点で、意義深いものである。また、指導効果が既習項目だけでなく未習項目にも観察されるかを調査したことはこれまでの研究に見られない特徴であり、今後のコロケーション習得研究のさらなる発展を促すことが期待される。
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