2019 Fiscal Year Research-status Report
英語授業におけるUDLを意識した教師のICT活用に関する研究
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19K13312
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
沢谷 佑輔 北海道文教大学, 外国語学部, 講師 (10733438)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語授業 / UDL / ICT活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は「学びのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning (UDL)」の視点がどの程度小学校、中学校、高等学校の英語の授業実践の中に組み込まれているかの実態調査を行った。 調査は、小学校の外国語活動の担当をしている教師7名、中学校の英語教師5名、高等学校及び高等専門学校の英語教師4名の計16名にアンケートを通しておこなった。 調査の結果、授業の組み立ての際の学びのユニバーサルデザインの視点に関する意識の自己評価に関しては学校種によって差がみられなかった。UDLの視点に基づく実践上工夫に関して、定量的には中学校・高等学校の英語教師に関しては、「取り組みのための多様な方法の提供」と「提示 (理解)のための多様な方法の提供」に集中しており、「行動・表出のための多様な方法の提供」に関しての回答はほとんど見られなかった。 一方で小学校教師に関しては、UDLの3つの全ての原則において、ほとんど差がなく考慮にいれて授業づくりが行われていた。さらに調査参加者の回答を定性的に分析すると、小学校教師の実践には中学校、高等学校の英語教師にみられなかった学習者をいかに活動に参加しやすくするかという観点の工夫が多く見られることがわかった。本調査においては合計16人ということで結果を一般化するには不十分な人数であった。 そのため、各学校種の実践上の工夫の特徴をより深く捉えるためにも、大幅に協力者を増やして調査を行う必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、初年度で英語教育にかかわる教師の「学びのユニバーサルデザイン」についての知識を調査するとともに、教師たちが授業時に特別な配慮を有すると考えられる学習者がどのような困難を抱えているかについての認識、そしてそのような学習者に対してどのように指導の配慮を行っているかの結果を公表する予定であった。現状では調査及び分析は終了しているが、その結果をまとめた論文の採録の可否を待っている状態であるため、結果の公表では若干の遅れが生じている。その一方で次年度に行う英語教師のICT活用の実態調査のデータ収集は終えているため、おおむね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目のR2年度は、初年度に収集した英語教師の授業でのICTの使用実態についての調査結果をまとめて、研究成果の公表を行う。ただし、コロナウイルスの影響で国内外問わず学会の開催延期及び中止が発表されているため、関連分野の学会の紀要への論文投稿による結果の公表を目指す。また、最終年度に予定している英語教師がUDLの視点を授業に取り入れることで、どのようにICT活用が変化するかという課題については、現在コロナウイルスの影響により今後の学校の授業がどのように進められていくかに関してはまだ不透明なとこところもある。そのため、さまざまな可能性を考え、研究方針を練っていくこととする。
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Causes of Carryover |
調査の回答の回収の進捗が影響し、参加を予定していた学会では他の研究課題の研究報告をすることにより、本課題の旅費を使用しなかったため。また、分析方法を当初の予定と変更し、必要機器の購入は次年度に持ち越したため。
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