2020 Fiscal Year Research-status Report
英語授業におけるUDLを意識した教師のICT活用に関する研究
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19K13312
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
沢谷 佑輔 北海道文教大学, 外国語学部, 准教授 (10733438)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語授業 / UDL / ICT活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず、外国語活動を担当する小学校教師及び中学校・高校の英語教師が英語(外国語活動)の授業において感じる指導上の困難と対象の児童・生徒への支援について調査を行った。小学校においては一緒に活動に参加するような教師主導型の支援が行われていた。その一方で、中学校・高校(高専)に関しては他の生徒達と一緒に活動に参加できるように個別に教材を用意して取り組ませることや、 評価基準を工夫するなど本人主体で学習に取り組むようにできる工夫を行っており、児童・生徒の発達段階に合わせた指導が行われていることがわかった。 次に、外国語活動を担当する小学校教師及び中学校・高校の英語教師による英語授業でのICT活用事例から現状での英語授業におけるICT活用の実態を調査した。調査の結果、校種が上がるほど、より創造的なICTの活用の実践が見られることがわかった。また、調査で得られた実践例を「学びのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning (以下UDL)」の視点と照らし合わせて考察すると、小学校・中学校においては、「提示 (理解)のための多様な方法の提供」に該当する実践例に集中してたのに対して、高校に関しては、「取り組みのための多様な方法の提供」、「提示(理解)のための多様な方法の提供」、「行動・表出のための多様な方法の提供」の3原則のそれぞれに該当する実践が見られ、特に、「取り組みのための多様な方法の提供」が多く見られた。 これまでの研究では、基本的にUDLの実現には、ICTの活用が重要であると指摘されてきているが、上記の調査結果と昨年度の調査結果を合わせて考えると、どの校種においても日常の授業づくりと授業中のICT活用では、UDLの原則への配慮が一致していないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に示している2年目までの調査結果の公表をすべて終えることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、英語教師は授業にUDLの視点や特別支援の視点を取り入れることでICTをどのように活用するのかを明らかにするための調査を行う予定であったが、新型コロナウイル感染症の拡大による緊急事態宣言の発令により、学校現場との協力が非常に難しくなっている。そのため、当初の研究計画を変更することも視野に入れて調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、参加予定の学会が中止になり、旅費にかかわる支出が行われなかったため。
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