2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K13328
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
谷口 雄太 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (80779934)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 足利氏 / 血統 / 権威 / 大名 / 守護 / 血書 / 在京 / 在鎌倉 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中世後期の足利一門大名・守護について、基礎的な研究を進めることにある。今年度はその初年度であった。そこで得られた成果は以下の通り。
第一に、全体に関わるものとして、『中世足利氏の血統と権威』（吉川弘文館）を上梓し、また、「近年の「室町・戦国期『幕府ー守護体制論』」論に学ぶ」（中世後期守護研究会）を報告した。①はこれまでの研究を総括したもの、そして、②はこれからの方向性を見通したものである。
第二に、個別に関わるものとして、①「足利持氏願文は「血書」か 」（『鎌倉』127号）、②「甲斐武田氏の対足利氏観」（倉本一宏・小峯和明・古橋信孝編『説話の形成と周縁』中近世篇、臨川書店）、③「駿河今川氏の発給文書」（黒田基樹編著『鎌倉府発給文書の研究』戎光祥出版）を執筆し、④「室町期東国武家の「在鎌倉」ー屋敷地・菩提寺の分析を中心にー」（鎌倉考古学研究所）、⑤「里見氏研究の現在と未来」（里見氏研究会）を発表した。①は血書とされてきた関東足利持氏願文は朱書ではなかったかとの疑義を呈したもの。②は甲斐武田氏が足利氏をどう認識していたかを明らかにしたもの。③は南北朝～室町期における駿河今川氏の発給文書を網羅的に収集し分析したもの。④は室町期東国における在鎌倉の実態に迫ったもの。⑤は足利一門里見氏研究の現状と課題を示したものである。他に、一般向け記事・書評類として「身分秩序」（杉山一弥編著『図説鎌倉府』戎光祥出版）、「書評 海上知明著『戦略で読み解く日本合戦史』」（『週刊読書人』3305号）を認めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
総論・各論ともに一定の成果を提示しえたため。また、駿河今川氏の発給文書については悉皆的に蒐集・検討できたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国各地での調査に不安を残すが、総論・各論ともに可能な限り粛々と進めていく。
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| Causes of Carryover |
当該科研費の基金化により、柔軟な執行が可能となった。そのため、2・3月に予定していた出張は、新型コロナウイルス感染症の流行状況等から、次年度予定分として延期した。
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Research Products
(9 results)
