2022 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の禁酒運動と教育・メディア―日本禁酒同盟資料館旧蔵史料を対象に
Project/Area Number |
19K13353
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横山 尊 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究者 (20712152)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 禁酒運動 / メディア / 教育 / 未成年者飲酒禁止法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究遂行のため、前年度から『禁酒新聞』、『のぞみの友』の目次データベースの作成を行ってきたが、これらは概ね完成した。そのため、それを利用した研究成果を複数、発表することができた。 禁酒運動は職域社会にまで進出し、労務管理、福利厚生と結びついた労務者教育にも影響を与えた。その様相を「「禁酒工場」日本足袋、「絶対禁酒家」石橋正二郎-昭和初期の久留米の禁酒運動」(『西日本文化』502号 、2022年4月)で論じた。 2022年5月27日の日本科学史学会第69回年会では、研究報告「禁酒運動と新生活運動―敗戦後日本の動向とその系譜」を行った。本研究の内容は、戦前が主だったが、本報告では対象を敗戦後にまで拡張し、敗戦後の動向を研究する糸口を見いだし、今年度は関連資料の収集も積極的に行った。 6月25日、メディア史研究会第324回月例研究会にて、研究報告「昭和戦前期における禁酒メディアの性格―『禁酒新聞』を中心に」を行った。 日本国民禁酒同盟が刊行した昭和戦前期の『禁酒新聞』を対象として、禁酒メディアが禁酒運動に果たした役割、影響、その特質を考察した。完成させた戦前の目次も活用し、同紙成立をめぐる問題点や同紙の性格を論じ、青年団を対象とした普及運動など、その宣伝の性格を考察した。この内容は、論文「昭和戦前期における『禁酒新聞』の頒布の実態」(『メディア史研究』53号、2023年2月)として活字化された。 メディア史研究会では、2023年4月22日の第333回月例会で、研究報告「昭和戦前期における少年向け禁酒メディアの戦略―『のぞみの友』を中心に」を行った。同誌の目次データベースの内容を活用した。さらに、論文「戦間期日本の教化動員と禁酒運動―酒なし日の登場と変奏」(『メディア史研究』54号、2023年9月予定)が掲載予定である。
|
Research Products
(6 results)