2020 Fiscal Year Research-status Report
Studies on the Wooden Tablets in Medieval Period in Japan
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19K13358
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Research Institution | Gangoji Institute for Research of Cultural Property |
Principal Investigator |
服部 光真 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (00746498)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中世木札文書 / 本興寺 / 普門寺 / 御霊神社 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では①中世木札文書の個別事例の具体的検討、②中世木札文書の事例収集という大きく二本立てでの検討を進めている。 ①中世木札文書の個別事例の具体的検討 三河国普門寺、遠江国本興寺、大和国御霊神社で、中世木札の関連文書の調査・分析を行っている。普門寺では、研究対象の木札の関連史料として、中世~近世前期の史料を調査し、新出史料を利用した論稿を準備している。本興寺では、研究対象の木札の関連史料として、15世紀~17世紀の史料を調査し、愛知県立大学中世史研究会による目録作成に協力し、『鷲津本興寺宝蔵聖教典籍目録』に「解題」と「史料紹介」を掲載した。御霊神社では、鎌倉時代後期の木札の調査を行い、2020年12月12日に「ムラの戸籍簿」研究会第84回例会(オンライン)にて「御霊神社(奈良県五條市)所蔵の元徳3年円栄他24名連署起請文写木札について」と題する報告を行った。史料紹介を兼ねた論稿を投稿し、来年度には掲載誌が刊行される見込みである。 ②中世木札文書の事例収集 先学の成果に学びつつ諸種の史料集から、現存する木札の例、古記録や近世地誌などに写された木札の例の集成を進めている。木札研究全体の研究史について、2020年11月26日に奈良歴史研究会11月例会(オンライン)にて「中世木札文書研究の一視点―「元興寺庶民信仰資料」とその周辺―」と題する発表を行った。この内容は論稿にまとめて投稿し、来年度には掲載誌が刊行される見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大のために、遠方への調査は困難な状況となったが、研究進展の中で見出された事例につき、近隣寺社での現物調査を行い、一定の成果を得ることができた。 その他、文献・刊本の史料集による調査研究、事例収集を集中して進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
個別事例の研究は、三河普門寺などでの検討を進めるとともに、今年度同様に研究進展の中で見出された有意な事例を中心に行う。 引き続き、刊本の史料集による事例収集、調査・研究を進め、新出史料による論稿や、研究動向をまとめた論稿を準備していく。
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