2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K13365
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川西 裕也 新潟大学, 人文社会科学系, 助教 (30736773)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 朝鮮史 / 古文書学 / 様式論 / 朝鮮史 / アーカイブズ / 文禄慶長の役 / 壬辰戦争 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度には韓国における史料調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大のため、国外での調査を実施することが一切叶わなかった。そのため、日本国内の諸機関で所蔵されている朝鮮時代の古文書の調査・研究を進めた。特に、壬辰戦争(壬辰倭乱、文禄慶長の役)時に日本軍によって捕虜とされた朝鮮王子一行の文書(書状・詩書)について悉皆的な調査を行った。 これらの文書について、その存在自体は古くから知られていたが、現在まで本格的な調査・研究が行われたことはなかった。しかし、これらの文書は壬辰戦争当時に作成された一次史料として非常に貴重な価値を有している。また、朝鮮前期(14~16世紀)の王子が著した文書は現存事例がほぼ皆無であることから、当該期の王族文書研究にとっても極めて重要である。 来年度にも引き続いて朝鮮王子一行文書に関する調査・研究を進める予定であるが、その中間成果については、オンライン上で開催された壬辰戦争研究会・九州史学会大会朝鮮学部会において研究発表を行った。また、日本の学界で一般的に用いられている「文禄慶長の役」という呼称に関する批判的分析を学術雑誌(『韓国朝鮮文化研究』21、2022年)に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も新型コロナウイルス感染症が終息せず、韓国での史料調査を行うことができなかったが、日本国内に所蔵されている朝鮮時代の古文書の調査・研究を進めることで、一定の成果を挙げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続いて、古文書の様式論的研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、国内外への調査出張が大幅に制限されたため、次年度使用額が生じた。2022年度には、感染症の拡大状況を見極めつつ、調査出張を積極的に実施する予定である。
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