2023 Fiscal Year Research-status Report
A Quantitative Text Analysis of the World News as Reported in Nigerian Newspapers
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19K13372
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
澤田 望 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (70728146)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アフリカ / ナイジェリア / 新聞 / デジタル・ヒューマニティーズ / テキストマイニング / 計量テキスト分析 / メディア / 歴史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、これまでの研究成果をもとに、国内における報告を1件、国際学会における発表を2件行うことができた。2023年5月に開催された日本アフリカ学会では、新聞出版史の黎明期とされる1880年から1920年代初頭のナイジェリアで発行された新聞を、コンピュータを用いてテキスト分析する際のプロセスと、新聞の経時的な変化を辿る際の手法について報告した。6月のラゴス学会では、アメリカ、ナイジェリア、カナダ在住の研究者とパネルを組み、コンピュータによるテキスト分析を用いて、ナイジェリア史における「古典」とされるMichael J.C. Echeruo著『Victorian Lagos: Aspects of Nineteenth Century Lagos Life』(1977)を分析した場合、ラゴスの新聞や社会のいかなる側面を明らかにする可能性があるのかについて示唆する報告を行った。12月の米国アフリカ学会では、アメリカ、イギリス、カナダの研究者とともに新聞史に関するパネル「Worlds on Paper: Print and Africa’s Changing Textual Horizons」を組み、ラゴス植民地で出版された新聞の掲載地域を、計量的な内容分析とテキストマイニングのソフトウェアであるKH Coderを用いて分析する報告を行った。さらに、歴史新聞を機械処理可能なデータセットに変換する上で、重要な役割を果たす光学的文字認識(OCR)について、複数のアプリケーションの精度を比較検討する論稿(Evaluating the Accuracy of Optical Character Recognition of Historical Newspapers Published in Colonial Lagos)をまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度における研究の進捗状況は、これまでの遅れを取り戻す着実な前進がみられたと評価できる。第一に、国内学会および国際学会において複数の研究報告を行った。第二に、データセット作成に必須である、OCRアプリケーションの歴史史料への適用について、比較検証する論稿が公開された。また、すでに「黎明期ナイジェリア新聞における掲載地域の経時的変化」に関する論文を投稿しており、9月に発行予定である。さらに米国アフリカ学会における報告がきっかけとなり、英国バーミンガム大学歴史文化学部より、名誉上級研究員(Honorary Senior Research Fellow)に任命された。同大学の図書館データベース等へのアクセスが可能となったことで、本研究の土台となる史料や学術雑誌論文の収集が容易になった。年度の後半からは、データサイエンスの専門家より複数回に亘りコンサルティングを受ける機会があり、分析手法やデータセットの整理に関する新たな知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、これまでの成果報告の公開を確実に遂行する意向である。すでに国内における学会および国際的な学術会議における研究報告が決定しており、2023年度に国際学会で報告した内容をまとめた論稿が発行される予定である。新聞における掲載地域の地理情報に関する分析結果を可視化し、オンライン上でも公開する準備を行っているため、これまでの分析結果を適切に反映させていきたい。
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Causes of Carryover |
本研究計画の遂行において、研究の初期段階において、予想を超える時間を分析データの収集と構築作業に費やした。これは、ナイジェリアの歴史新聞の情報を抽出する過程において、予想外の時間とコストが生じたことによる。そのことで、研究成果の報告および成果物の活字化に伴う必要な支出に遅れが生じた。しかし2023年度は、複数の学術会議において報告を行っており、研究成果を論稿にもまとめている。2024年度は最終的な分析結果の公開費用として、これまで使用が遅延していた額を適切に支出する計画である。
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