2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K13373
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
久保 茉莉子 成蹊大学, 文学部, 助教 (90807900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日中戦争 / 第二次世界大戦 / 中華民国 / 中華人民共和国 / 法学専門雑誌 / 法律家 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年7月29~31日、The University of Hong Kong (香港大学)での史料調査を実施。総合図書館(Main Library)で、日中戦争・第二次世界大戦期に香港で発行されていた法学専門雑誌(Hong Kong University the Journal of the Law & Commerce Society, 1936-1940など)を閲覧した。 2020年2月3日~3月7日、Hoover Institution Library, Stanford Universityスタンフォード大学フーバー研究所図書館での史料調査を実施した。“Norwood F. Allman papers”(Call Number: 87042)を閲覧した。アルマン(Norwood F. Allman)は、1910年代~1940年代に上海で活動したアメリカ人法律家。中華人民共和国成立後はアメリカで会社を設立し、20年間以上の中国滞在経験、中国関連の知識、法の専門知識、ビジネスの経験海外情勢の調査・情報提供を主な業務とした。アルマンの残した各種文書やメモ、知人・友人との間で交わされた書簡等の史料を見ていくことで、中華民国から中華人民共和国への移行期における中国社会の変化について、アメリカ人法律家がどう捉えていたかを分析することができる。 2020年3月に南京大学で開催予定であった国際会議の発表に向けた準備を進めた。東京大学所蔵(その他、日本、中国、台湾等のいくつかの図書館で所蔵、制限付きではあるがオンラインでの閲覧も可能)の法学専門雑誌(『法学雑誌』『法律評論』『中華法学雑誌』)を主要史料とし、日中戦争時期(開戦直前・終戦直後の時期も含める)における中国人法律家たちの議論を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大の影響で2020年3月に予定していた中国での史料調査が実施困難となったため。なお、新型コロナウィルス感染拡大の影響で会議開催が延期となってしまったため未発表であるが、「抗戦時期中国近代法学の進展:中華民国法学会と『中華法学雑誌』1937-1945」という題名で報告原稿を完成させた。
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Strategy for Future Research Activity |
中国への出張が可能になれば重慶や上海、北京、南京での史料調査を実施する。当面は困難な状況が予想されるため、国内の図書館や文書館で閲覧可能なものやオンライン公開されている史料を利用する。未発表となっている原稿を加筆修正し、国内外の学会で報告するか、雑誌に投稿することをめざす。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により2020年3月に予定していた中国での史料調査を中止したため、次年度使用額が発生した。 今後、中国への出張が可能になれば重慶や上海、北京、南京での史料調査を実施する。 上記各都市への渡航が困難な状況が続き、かつ台湾や香港が海外からの渡航を許可した場合、台湾・香港での史料調査を行う。全ての海外渡航が不可能な場合は、中国や台湾の刊行物を代替史料とし、それを購入して研究を進める方針とする。
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Research Products
(3 results)