2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K13373
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
久保 茉莉子 成蹊大学, 文学部, 助教 (90807900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中国法学 / 戦時 / 日中戦争 / 法学雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年1月22日の研究会報告(京都大学人文科学研究所「近現代中国の制度とモデル」研究班例会(京都大学、但しZoomミーティング))で受けた助言や批判意見に基づいて史料調査を進め、論文を執筆した。史料調査は、主に国会図書館東京本館で実施した。同館で閲覧可能な中国語のオンライン史料(1930~40年代に中華民国で発行された法学雑誌)を閲覧・複写した。研究会報告の内容に史料調査で得られた情報を追加する形で論文を執筆し、2021年10月に『東洋史研究』に投稿した。 査読の結果、修正して再投稿することとなった。査読コメントによれば、論文で扱う時代をより長くすることによって理解を深めることが可能になるとのことであった。そのため、1940年代の史料をより重点的に調査して加筆修正することとした。 投稿論文の加筆修正のため、2022年2月24~26日に国会図書館関西館で史料調査を実施した。関西館では、同館に所蔵されている中国語文献(主に1980年代以降に刊行された中国法学・中国法制史関連文献)を閲覧・複写した。現在、再投稿の締切(2022年6月30日)に向け、修正版を執筆中である。 その他、中国近現代史分野の研究動向を整理した論文が、「回顧と展望―2020年の歴史学界」の一論文として『史学雑誌』に掲載された(『史学雑誌』130編5号(pp231-245))。本研究課題に関する先行研究はいずれも中国近現代史分野の研究として扱うことができるため、本研究課題の先行研究をあらためて整理するうえで、「回顧と展望」論文の執筆は大いに役立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
応募の際に予定していた海外での史料調査がコロナウィルスの感染拡大により実施できなくなってしまったため、1930~40年代の中国における司法関連文書を閲覧する機会を失った。つまり、本研究実施期間中、当初予定していた戦時中国の司法の実態について分析することが極めて困難になった。よって予定を変更し、日本国内の図書館及びインターネット上で閲覧可能な史料を用いて研究を進めていくことにしたものの、国内での他府県への移動も不自由になったため、研究を進めることが難しくなった。それでも国会図書館のサービスを有効活用し、論文掲載に向けて励んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
論文の加筆修正を進め、2022年6月30日までに『東洋史研究』に再投稿する。その後、新たな論文の執筆に向けて史料調査を開始する。まずは国会図書館東京本館及び関西館、東京大学法学部・東洋文化研究所、京都大学法学部、九州大学法学部など、国内に所蔵される史料を収集する。おそらく困難であると考えられるが、可能であれば中国や台湾など、海外での史料調査を実施したい。
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Causes of Carryover |
応募当時に予定していた国内外での史料調査の実施が困難になったため。
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Research Products
(2 results)