• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

石刻史料を用いた唐代武官の包括的研究

Research Project

Project/Area Number 19K13375
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

速水 大  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (60810497)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords唐代史 / 石刻資料 / 唐代墓誌 / 武官
Outline of Annual Research Achievements

一般に唐代の墓誌銘には誌主の生前事跡を記した序文がつけられている。その序文には、誌主の官歴が記されることがある。その官歴の事例を収集し唐の中央武官の人的構成をあきらかにするのが本研究の目的である。本年度は、武官史料の収集整理を行う一方で、石刻資料と唐人の詩文集とを補完しあうことで、従来、曖昧であった事柄をより詳細に検討することができた。
墓誌や石碑については、従来知られていた伝世の遺物だけではなく、考古学的発掘による出土物、民間で流通するもの、そして、唐人の文集などに著録された記述がある。近年、注目されるのは、考古学的な発掘や、民間で流通することで新たに見つかる史料であるが、一方で伝世の遺物や文集中の著録も重要である。本年度は、これまでも取り上げられてきた「嵩岳少林寺碑」の碑陰に刻まれた当時の行政文書である「貞観コウ氏県牒」の分析を通して、唐の建国期における軍功と賜田の関係について考察した。その過程で、唐初に寺院に「口分田」が給付されたとの説には再校が必要であろうとの結論に至った。
また、唐の開元21年の対契丹戦の戦勝報告書である「為幽州長史薛楚玉破契丹露布」を分析した。その結果、当時の戦勝報告には軍功に関する虚偽報告が含まれていた可能性が高いことを指摘した。考察の過程で、墓誌史料を利用することで、従来不明であった都督府の位置を比定することができ、武官の人物比定を行うことができた。当時の幽州節度史軍には種々の蕃族が配置されていることをあきらかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、資料があり作業を行う研究所に行く回数が少なくなってしまったため。また、これまで運用してきた自作のデータベースに不具合が見つかったことで、再構築が必要となり、大幅に時間が取られてしまった。さらに、収集するデータの項目を増やしたことで、資料を全件見直す必要が出たため、進捗に遅れが出ている。

Strategy for Future Research Activity

本年度中に、資料の見直しを終え、再整理をして資料集としてまとめる計画である。8月中に資料整理を終え、体裁を整えて年度末までに刊行することとしたい。

Causes of Carryover

本年度の計画の終了を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入力作業に遅れがでたこと、よりよい資料集を作成するために入力データの見直しを行ったことにより、資料集の出版を行うことができなかった。そのため、出版のために準備した金額がのこることとなった。2022年度は、繰り越した経費を用いて資料集を出版する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 「嵩岳少林寺碑」碑陰「貞観六年コウ氏県牒」の発給経緯2022

    • Author(s)
      速水大
    • Journal Title

      東アジア石刻研究

      Volume: 9 Pages: 1-21

  • [Presentation] 唐開元20年代初頭の幽州地域における軍事行動と軍功問題2022

    • Author(s)
      速水大
    • Organizer
      遼金西夏史研究会大会
  • [Presentation] 安禄山と史思明の「神話」2021

    • Author(s)
      速水大
    • Organizer
      内陸アジア出土古文献研究会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi