2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the Afghan arms trade network in the frontier zone of Southwest Asia during the early 20th century
Project/Area Number |
19K13381
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小澤 一郎 立命館大学, 文学部, 准教授 (50817210)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アフガン人 / 武器交易 / マクラーン / インド洋 / バルーチ人 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究では、19・20世紀転換期にユーラシア大陸中央部とオマーン湾にまたがって展開されたアフガン人による武器交易を検討対象とした。研究期間全体を通じた検討の結果、アフガン人の交易者としての活動を具体的な事例から解明することができたほか、アフガン人がユーラシア大陸の陸域だけでなくオマーン湾の海域まで進出して交易活動を展開していたこと、彼らの活動が他のエスニック集団のネットワークとの接続の上に成り立っていたことが明らかになった。この研究の結果、ユーラシア大陸の陸上交易とインド洋海域世界の海上交易を接続するというこの研究計画の当初の目的を果たすことができたと考えられる。また、インド世界とイラン世界の「フロンティア」たるマクラーンにおいて、多様な人々がそれぞれのネットワークを接続させながら交易活動を展開していた事実も明らかとなった。本研究の成果は、ユーラシア大陸の海陸に渡る交易のありように新たな光を当てるものであるといえる。 なお、最終年度である2022年度には、夏季にイギリスの大英図書館・国立公文書館で史料調査を行い、これまでの史料調査の内容を補ったほか、これまで行った研究の成果を公表するよう努めた。具体的には、マクラーンに定着して活動したアフガン人に関する論文を『立命館文学』681号(2023年3月刊行)で発表したほか、2023年1月に国立民族学博物館で、2月には京都大学で、国際シンポジウムにおける報告を行った。前者はアフガン人のネットワークと他の集団のネットワークの接続に関する報告であり、後者は19・20世紀転換期のマクラーンにおける都市と集住地に関する報告である。
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Research Products
(3 results)