2020 Fiscal Year Research-status Report
Developing and verifying a spatiotemporal socio-ecological approach towards a society in harmony with nature
Project/Area Number |
19K13440
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 有紀 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 助教 (00824765)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 価値観 / 社会生態系システム / 自然のもたらすもの / 対人関係 / 自己決定理論 / 将来シナリオ / 生態系サービス / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、人間が自然や社会環境とどのように影響し合っているのかを、国際比較および時系列的比較をとおして明らかにすることである。2年度目からは国外を対象としたフィールド調査を重点的に行う計画であったが、同年度からの新型コロナウィルスの影響を踏まえ、文献レビューやオンラインアンケートにより研究を遂行してきた。 一方で、自然環境に対する個人レベルの意識と行動、そして社会環境の関係性を、自己決定論の観点から解明することを試みてきた。文献レビューでも、自然環境に対する意識と、環境を配慮する行動の乖離が明らかになっていたが、この乖離を、自然環境に関する社会的規範、そして自己決定論に定義された対人関係への基本要求(Relatedness)の満たされ具合で説明づける仮説をたてた。先行研究があまりなかったため、ネットアンケートによるパイロットスタディを実施したところ、分析結果は仮説を裏付けるものであった。なお、個人レベルでの意識と行動の乖離に関しては、行動変容を目的とした、実証研究でも検証中である。 また、国際共同研究による学術文献やグレーリタレチャーのレビューも実施してきた。初年度につづき、自然や自然のもたらすものに関する将来シナリオのデータベースを構築してきた。本年度はこれらのシナリオを、既存研究で用いられてきたアーキタイプに沿って整理し、それらにおける価値観と、想定される将来像の自然環境や社会の状況の関係性などを検証してきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画のうち、海外フィールド調査に大きく依存する部分に関しては、昨年度に続く新型コロナウィルスの影響により、遂行の目途さえたたない状況にある。 しかしながら、文献レビューや二次データの分析は着実に進んでいる。 環境や健康に対する個人レベルの意識と行動の関係性は、アンケート調査をとおして検証してきた。既に着手していた研究と組み合わせることで、急な計画の変更にも速やかに対応できている。 また、主執筆者(Lead Author; LA)として携わっている生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(Intergovernmental Panel for Biodiversity and Ecosystem Services; IPBES)の「自然とその恵みに関する多様な価値観の概念化に関する方法論的評価(Values Assessment)」に関しては、担当した学術文献およびグレー・リタレチャーのレビューはほぼ完了させ、データベースとして確立した。自然や自然のもたらすものに関する将来シナリオを既存のアーキタイプに沿って整理したうえで、テキスト分析やクラスター分析を実施し、将来シナリオにおける価値概念と、想定される将来像の関係性などを解明してきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響により、海外渡航による調査は次年度も見込めないため、引き続きオンラインアンケートや二次データを用いた研究遂行を試みる。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、計画していた海外渡航を実行できなかったため、次年度への繰越となった。予定変更した研究を継続しつつ、当初の計画の実行が可能になり次第、遂行する。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] How ecosystem services research can advance ecological economics principles2020
Author(s)
Gould, R.K., Ricketts, T.H., Howarth, R.B., Telle, S., Gladkikh, T., Posner, S., Gourevitch, J., Yoshida, Y.
-
Journal Title
Sustainable Wellbeing Futures: A Research and Action Agenda for Ecological Economics
Volume: -
Pages: 127-150
DOI
Int'l Joint Research
-
-