2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing and verifying a spatiotemporal socio-ecological approach towards a society in harmony with nature
Project/Area Number |
19K13440
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
吉田 有紀 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 研究員 (00824765)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 価値観 / 行動変容 / 実証研究 / モチベーション / 生態系サービス / 土地への愛着 / 対人関係 / 幸福感 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで遂行してきた、自然・社会・人間の相互関係を地域レベルで検証した論文が採択された。アンケート調査により、自然環境が、土地への愛着(Place attachment)や対人関係(Social capital)を介し、また直接的にも、人の幸福感に寄与していること、さらには、自然中心的な価値観を持った人々が、その自然環境を管理していることを実証した。
本年度は、さらに大きく二通りの研究を遂行してきた。 一つは、自然とその恵みに関する価値観に関する、既存の情報分析である。これは生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学- 政策プラットフォーム(Intergovernmental Panel for Biodiversity and Ecosystem Services; IPBES)の「自然とその恵みに関する多様な価値観の概念化に関する方法論的評価(Values Assessment)」の主執筆者(Lead Author)として担当してきた、将来シナリオにおける価値観のレビューなどをとおして行っており、2022年7月に発表される予定である。担当章では、学術文献やグレー・リタレチャーにおける、自然や自然のもたらすものに関する将来シナリオで、どのような価値概念が、どのような将来像と結びついているのかを、テキスト分析やクラスター分析などを通して明らかにした。 二つ目の取り組みは、個人レベルでの心理と行動の実証研究である。国内自治体での福祉事業をとおし、科学的理論に基づいた介入を念頭に、行動に対する意識や動機、そして実際の行動をモニタリングしてきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ情勢や育児時短勤務のため、フィールド調査に重きを置いた当初の計画から大きく変更してはいるものの、当時の研究目標に沿った研究を着実に遂行してきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度に遂行してきた研究活動を引き続き遂行する。また、IPBESの『生物多様性の損失の根本的要因、変革の決定要因及び生物多様性の2050ビジョン達成のためのオプションに関するテーマ別評価(社会変革アセスメント; Transformative Change Assessment)』第1章の主執筆者としても活動予定である。該当報告書は、これまで遂行してきたValues Assessmentと同様、自然・社会・人間の相互関係のメカニズムに関する分野横断的な既存研究の検証であるうえ、Values Assessmentの結果も踏まえ、社会変革の決定要因を様々な観点から分析する。
|
Causes of Carryover |
海外調査の旅費等として組んでいた研究費を、次年度以降の調査および出版費用に活用する。
|