2020 Fiscal Year Research-status Report
フランス参加型ウルバニズムに関する地理学的研究:社会連帯経済の空間性
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19K13445
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
立見 夏希 (川口) 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (80647834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 参加型都市計画 / 社会連帯経済 / 脱工業化 / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2000年代以降、フランスで活発に展開する「社会連帯経済(ESS)」運動の文脈を踏まえて、都市社会地理学分野の今日的争点である、新自由主義に還元されないオルタナティブな空間形成のあり方を展望するものである。 2020年度は、第一に、昨年度の現地調査にて収集した資料を用いて、フランスの都市計画と空間整備政策について整理する作業を行った。 第二に、2021年3月に出版された書籍『社会連帯経済と都市ーフランス・リールの挑戦ー』(立見淳哉・長尾謙吉・三浦純一編)に分担執筆を行った。これまでのフィールド調査と、参加型都市計画、空間整備政策、社会連帯経済に関する近年の議論のレビューを踏まえて、リール地域の旧工業地区の再編について論じたものである。ESS運動が下支えする、住民、政策担当者、建築家等の参加による空間構築の過程を明らかにした。 第三に、海外調査の実施が困難であったため、日本の丹波篠山地域における住民参加型のリノベーションと地域再生に関して、主要なアクターにインタビュー調査を行い、リール地域の実践と日本の現実とを対照し、すり合わせる作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度を本調査の年と位置付けていたものの、新型コロナウィルスの世界的流行によりフランス現地調査が実施できなかったため、遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、昨年度実現できなかったフランス現地調査を可能であれば行うこととしたいが、今後の状況次第で更なる予定変更を余儀なくされる可能性がある。その際は、文献調査等で補うことに加えて、本年度のようにフィールド調査の対象を変更するなどして柔軟に対応したい。
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Causes of Carryover |
予定していたフランス現地調査が新型コロナウィルスの感染拡大により実施できなかったため。
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[Book] 社会連帯経済と都市2021
Author(s)
立見 淳哉、長尾 謙吉、三浦 純一
Total Pages
266
Publisher
ナカニシヤ出版
ISBN
978-4-7795-1562-0