2022 Fiscal Year Research-status Report
フランス参加型ウルバニズムに関する地理学的研究:社会連帯経済の空間性
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19K13445
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
立見 夏希 (川口夏希) 鳥取大学, 地域学部, 講師 (80647834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 参加型都市計画 / 社会連帯経済 / 脱工業化 / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2000年代以降、フランスで活発に展開する「社会連帯経済(ESS)」運動の文脈を踏まえて、都市社会地理学分野の今日的争点である、新自由主義に還元されないオルタナティブな空間形成のあり方を展望するものである。その際、①参加型の空間構築、②ESS運動に呼応した都市再生政策、都市計画、建築家の実践への着目、③フランスの都市計画の文脈との接合を論点としている。 2022年度は、3月末に(次年度の4月にかけて)フランス現地調査を行なった。リール地域を拠点とするESSの支援組織であるAPESへのインタビュー、旧工業地域・ユニオン地区のフィールドワークを行なった。また、グランパリ構想やオリンピック開催、住宅不足との関連で空間整備が進展するパリ郊外の旧工業地域のフィールドワークを行なった。関連する2022年度の業績としては下記のものが挙げられる。Kawaguchi, N. (2023). From “Politique de la Ville” to “Renouvellement Urbain”: Paradigm Shifts of Urbanism in Plaine Saint Denis, Paris. In: Mizuuchi, T., Kornatowski, G., Fukumoto, T. (eds) Diversity of Urban Inclusivity. International Perspectives in Geography, vol 20. pp.273-284. Springer, Singapore. さらに、昨年度に引き続き、日本の丹波篠山地域における住民参加型のリノベーションと地域再生の展開に関する調査も継続して行なった。リール地域の実践と対照させることで、アクターの動機付けや活動の展開の相違が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの流行によりフランス現地調査が3月まで実施できなかったことや、研究代表者の所属機関の変化等により遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究については、補助事業期間を1年間延長し、2023年度まで研究を行うこととした。最終年度ではあるが、補助事業期間中の2年間にわたって十分に実現できなかったフランス現地調査を行った上で、これまでの研究をまとめることとしたい。すでに、本年度の現地調査の際、アポイントメントと大まかな日程調整は済ませてあるため、スムーズな研究の進捗が期待できる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により、フランス現地調査が予定通り行えず、2023年度まで補助事業期間を延長した上で、2022年度3月末から2023年度4月初めに調査を行った。そのため、当該調査の旅費については2023年度での計上となる。
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