2021 Fiscal Year Research-status Report
Community Design Started from Individual Network, A Case Study on Community Participation in Taiwanese "Shequ-yingzao"
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19K13448
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐々木 孝子 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, その他(招聘研究員) (30777462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 台湾 / 社区営造 / 参加型地域づくり / 住民の自主性 / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
社区営造活動に不参加の住民に関するアンケート調査を継続し、データを増やす計画であったが、COVID-19の警戒レベルが引き上げられ、5月から外出・移動が制限されるとともに地域での活動や行事が全て取消となり、夏期休暇中に予定していた調査が全くできなかった。そこで、調査計画を次のように変更した。 まず、大学が地域連携で行う社区営造型産直活動に注目し、住民の参加の態度に関する調査を行った。活動に参加する住民が管理するFacebookページの内容の精査からは、活動報告の主語が「大学」から「私」へ、また、自分一人の活動から他の参加者との協働も行うよううになるほか、大学の支援を活用した新たな販売法の開発や、大学への販路開拓の提案等、受動的な参加から能動的な参加に変化していることを把握した。補足インタビューでは、住民どうしがつながることで新たな発見があったという話がきかれ、ネットワーク研究の上でも有用な結果を得られることとなった。この内容を社区営造における住民の自主性という視点でまとめ、「台日大学地域連結與実践シンポジウム(行政院、2021年9月)」で発表した。 次に、台湾における民主化前のコミュニティ政策を取り上げ、文献調査によりこれに関する研究動向を調査した。社区営造が民主化後に開始されたこともあり、関連学問分野では民主化前のコミュニティ政策は権威主義体制だった過去の話として扱われることが多い。しかし、社区営造には従前より持ち越されたとみられる課題も多々あり、議論を展開する上で歴史的な観点は必須である。民主化前に出版された専門誌を対象にトピックを整理した結果、コミュニティ政策においては社会福祉事業が重視され、地域計画的な見方がなかったことがわかってきた。この内容は、ヨーロッパ台湾学会(2022年4月、オンライン)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
政府によるCOVID-19の警戒レベルの引き上げにより、外出・移動の制限及び地域の活動や行事の取消があったこと及び行動制限緩和後も地方では自粛ムードが続いて訪問が難しく、調査ができなかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
目下COVID-19の影響で研究目的での台湾入境が禁止されているため現地調査継続は難しいが、現地の歴史・社会的環境の資料及び社区発展協会会員の調査は終了している。そこでまず、収集できたデータを用いて論文の作成を進めるとともに、昨年度の学会発表についても準備ができ次第投稿する。入境制限が緩和されるのを待って調査を再開するが、現在台湾側の研究者と協力しての調査実施も交渉中である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、参加を予定していた国際学会がオンラインでの開催となり交通費が発生しなかったため。
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