2021 Fiscal Year Research-status Report
非言語的取引に伴う信頼関係の考察―カトマンズの観光市場タメルの宝飾商売を事例に
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19K13465
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡部 瑞希 帝京大学, 経済学部, 講師 (60782589)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 文献調査 / オンライン / SNS |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の夏休みと春休みを利用して、ネパールに現地調査へ赴く予定であったが、現地のコロナ禍の影響が深刻であったため、渡航は断念した。そこで、2021年度は、日本国内でWeChat関連の文献調査、ならびに、日本のSNSのビジネスの様態についても調査を実施した。 とりわけ、2021年度は、オンラインツアーやオンラインビジネスの研究に従事し、一定の論文と著書(共著)を執筆した。また、これらの論文に関連した学会発表やシンポジウムでの登壇も行った。これらの研究テーマはネパールにおけるWeChatを活用した非言語的なビジネスとは無関係に思われるが、実際は、SNSを介したり、オンライン上のコミュニケーションを活用するといった共通点がある。たとえば、Zoomを使ったオンラインコミュニケーションにおいて、どのような要素が画面越しの関係をよりよいものにしているのか、どういった点で対面でのコミュニケーションと接近可能なのかを検討した。また、Zoomでのコミュニケーションでは、相手の顔しか見ることができない分、相手の意図することをとらえにくい面もある一方で、Zoomでのミーティングがプライベート空間で行われる傾向にあることから、オンライン上で素顔を見せられる相手は限られていることを明らかにした。 こうした研究から、オンライン上だからこそ人と人との親密さや関係性が顕在化することを明らかとなった。このように、2021年度の研究成果は、ネパール渡航が可能となった際の現地調査に役立つと期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査が遅れている一番の要因は、コロナ禍がネパール渡航が困難な状況にあることだ。また、無理をして渡航したとしても、本調査が対象とする中国人観光客が、コロナの影響でネパールに訪れることはまずない。そのため、2021年度も、当初予定していた現地調査が頓挫している。 そのため、2021年度は日本でできる文献調査ならびに、現地調査を行った。また、WeChatのようなオンラインビジネスとの関連で、コロナ禍で出現した新しいビジネスであるオンラインツアーの研究に取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
現状、コロナ禍でネパールに渡航できる目途がたっていない。そのため、2022年度は、YouTube動画や現地住民とのSNSでのやり取りから情報収集しつつ、WeChatを活用した調査を実施しようと考えている。具体的には、WeChatのビジネスグループに参加し、翻訳機能を使いながら、WeChatユーザーのビジネスの要する観察するというものである。
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Causes of Carryover |
2021年度も引き続き、コロナウイルスの影響でフィールドワークの場所であるネパールに渡航が困難であった。また、渡航できたとしても、当初予定していたネパールに訪れる中国人観光客が現地に皆無であるため、調査自体が実行不可能であった。来年度は、ネパール渡航での調査だけでなく、日本でも可能なWeChatの調査に切り替え、日本を中心にフィールドワークを行う予定である。
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Research Products
(7 results)