2019 Fiscal Year Research-status Report

An ethnographic study on the utilization and allocation of sea resources among agar divers in Japan, Taiwan and Korea

Research Project

Project/Area Number	19K13467
Research Institution	Toyo University
Principal Investigator	齋藤典子東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (20714223)
Project Period (FY)	2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords	「アマ」と呼ぶ潜水漁民の労働 / 日台韓のアマの漁撈活動 / 海洋資源の利用と資源管理 / 共同体内における資源分配 / テングサの流通と販売戦略 / 労働とジェンダー
Outline of Annual Research Achievements	本研究の目的は２つある。1つ目は日本、台湾、韓国の潜水漁を行う「アマ」(女性の海女、男性の海士)の漁撈活動と海洋資源利用、資源分配、資源保護について明らかにし、3カ国の対照比較をすることである。2つ目は、性別役割分業が顕著な漁撈活動の中で、潜水漁を行う「アマ」の性別が歴史的背景、地理的環境、資源量、採取物の市場価格、景気動向、慣習などによって変化してきたことに着目、労働とジェンダーの視点から3カ国の潜水漁業について考察を進める事である。2019年度は、現在を生きる3カ国の「アマ」がどのような方法と制度を用いて海洋資源を獲得し、流通・販売の実践を通じて彼女らが繰り広げる経済戦略をフィールド調査で明らかにした。調査は、日本、韓国、台湾の３カ国で行った。具体的な研究活動は以下の通りである。 1.2019年６/29-7/5 伊豆下田市須崎海岸で地元民が行う春磯漁を調査。　2. 2019年7/31-8/6韓国済州島で海女の漁撈活動を調査。3. 2019年8/31-9/10台湾蘭嶼島で先住民族・達悟（タオ）族の潜水漁民の調査。4.2019年11/25-27韓国釜山で海女の漁撈活動調査。5. 2019年11/27-12/1韓国釜慶大学で開催された「第7回東アジア海洋フォーラム」で”Female Divers in Taiwan, Japan , and Korea: Resource Access Rights and Protection Measures”と題し、事例発表を行う。6. 2020年3/3-10まで済州島で海女の調査を予定していたがコロナ感染拡大のため中止。7. 2020年3 /16三重県鳥羽市で「海女研究集会」において招待発表を行う予定であったがコロナ感染拡大のため延期。8. 2020年3/17-18日鳥羽市で海女の漁撈活動調査を行う予定であったが延期。9.『済州島研究』第7号に「ジェンダーの視点から見た済州島の海女―なぜ,済州島には、男性裸潜漁業者がいないのかー」を投稿。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、予定していた2020年2月以降の済州島での調査、台湾基隆以南の調査を中止した。さらに国内に於いても三重県鳥羽市で海女の漁撈活動調査と三重大学と鳥羽市「海の博物館」が主催する海女研究集会も延期となった。また、図書館も閉館のところが多く、文献研究にも支障が生じている。コロナウイルス感染の収束も先行き不透明のため、2020年度は海外調査の実施が困難になる可能性もあると考える。本研究は、2019年から2021年までの3年を予定していたが、これらの事情により、2022年度までの4年間に延長していただけたら、大変ありがたく思います。
Strategy for Future Research Activity	コロナウイルス感染の収束を待って、韓国済州島、釜山、蔚山、機張で海女の漁撈活動と密接な関係を持つ漁業団体・漁村契の調査を行う予定である。本調査は2020年8月に韓国釜慶大学のK先生と共同で行う予定でいるが、現在のところ、予定が立たない状況である。海女の研究をするK先生とは、2019年11月に韓国釜慶大学で開催された「第7回東アジア海洋フォーラム」で出会い、筆者が日韓の海女についての情報交換と調査協力を要請し、快諾を得た。韓国の研究者と協力関係を結ぶ事で、本研究のテーマである日、台、韓の海女の漁撈活動と海洋資源利用、資源分配、資源保護の対照比較がより推進できると考える。
Causes of Carryover	コロナ感染拡大による以下2点の調査が中止となった為。 1.2020年3月3日-3月11日に行う予定であった韓国済州島調査に掛かる経費。2.2020年3月16日に三重県鳥羽市で行われる予定（コロナ感染拡大のため延期）であった「海女研究集会」での事例発表の後、鳥羽市石鏡での海女の漁撈活動調査に掛かる経費。