2021 Fiscal Year Research-status Report
グローバルな環境変動の中の人間-サンゴ礁関係:メラネシアにおける文化人類学的研究
Project/Area Number |
19K13468
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
里見 龍樹 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (30802459)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自然 / メラネシア / サンゴ礁 / ソロモン諸島マライタ島 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、南西太平洋のソロモン諸島マライタ島のサンゴ礁で独自の海上居住を営む「海の民」の事例に即して、「人新世」とも呼ばれる環境変動の時代における人間-環境関係を人類学的にとらえ直そうとするものである。本来の計画では、国内での理論的な研究とソロモン諸島での民族誌的フィールドワークを組み合わせ、「自然の人類学」の現代的なあり方を探究する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により研究計画は大幅な見直しを余儀なくされた。2021年8月にマライタ島で追加的なフィールドワークを行う予定であったが、ソロモン諸島政府による外国人の入国禁止が続いているため、これは実現しなかった。このため、2021年度は理論的・文献学的な研究に軸足を移し、いわゆる存在論的転回や科学技術社会論の成果を踏まえ、今日的な「自然の人類学」をいかに構想しうるかについての検討に取り組んだ。マライタ島における人間-サンゴ礁関係を中心的な主題とし、2021年度に執筆した著書の草稿については、出版社と打ち合わせを行いつつ、2022年度を通して改稿を進めた。同書が出版されるならば、本研究課題のもっともまとまった研究成果となるはずである。また、これまでの理論研究に基づき、学会誌『文化人類学研究』の特集「Writing (Against) Nature―『転回』以後の民族誌」を企画・編集し、世界各地でフィールドワークを行う人類学者たちと、現代の人類学において「自然」をいかに概念化し直すかについて討議・検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により、調査地であるソロモン諸島において外国人の入国が停止される状況が続いている。このため2021年度は現地調査を行うことができず、調査地における人間-サンゴ礁関係についての民族誌的データを新たに収集することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ソロモン諸島への渡航が可能になり次第、2022年度中に追加的なフィールドワークを行う。渡航が不可能な場合には、これまでに得られたデータを活用し、理論研究に比重を置いて研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行のため海外での現地調査が不可能となり、未使用額が生じることとなった。2022年度には、状況が変わり次第現地調査のために渡航し、旅費を支出する予定である。加えて、文献研究を強化するために研究補助者を雇用し、謝金を支出することを計画している。
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