2019 Fiscal Year Research-status Report
An Affective Anthropology of Physical Movement and Human Experience in the Case of Pole Dance as Sport, Art, and Entertainment in Contemporary Japan
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19K13471
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アフェクト / 身体化 / 感覚 / 想像力 / ダンス / スポーツ / エロス / 生成変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
An Affective Anthropology of Physical Movement and Human Experience in the Case of Pole Dance as Sport, Art, and Entertainment in Contemporary Japanにおいて、2019年度の研究調査は予定通りに実施ができました。申請書に書いてあるように、2019年度はスポーツおよびエンターテインメント、アートのポールダンスを実践する、主に3つの共同体への参与観察を行うというフィールドワークができました。具体的に言えば、週に3回から6回ほど身をもって彼らのポール・ダンスの実践に参加して、共同体の成員に聞き取り調査を行いました。その中で、情動論的なアプローチからヒトの環境との関わり方および間主観的な身体経験に着目して、身体運動がいかに人間の「生」を生成させているかということに肉薄しました。 この研究調査から3つの具体的な研究成果がありました。 1つ目は、アートのポール・ダンサーと共に生成変化のことを身をもって人類学的かつ実践的に考察し、その成果を30分のダンス作品として2020年3月3日に京都のアバンギルドという小劇場で発表できたことです。 2つ目は、スポーツとエンターテインメントとしてのポール・ダンスの共同体への研究結果は、2020年5月に行われる日本文化人類学会第54回の研究大会にて「『しぬかも!』:ポール・ダンスにおけるフィーリングと想像力を巡って」という口頭発表として発表する予定です。 3つ目は、2020年度出版予定の『官能の人類学; 快楽・暴力・越境』(仮題) の中の、「ダンシング・カンノウ-- ポール・ダンスからみたエロスの人類学」という章を本研究調査に基づいて執筆しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月までの進歩は順調でしたが、新型コロナウイルス(covid-19)の感染拡大により2020年3月からは研究調査ができない状況になりました。感染拡大が収まるまで、研究調査を延期をせざるを得ない状況になっております。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者のコーカーは京都市から札幌市に拠点を移りましたが、このことによって研究調査の可能性が広がります。 もともと札幌市のポール・ダンサーは日本のポール・ダンス界に多々の影響を与えてきました。同時に札幌市でのポール・ダンスの実践は、大阪でのスポーツ的な実践と、または京都でのエンターテインメントまたはアートとしての実践とまた異なっており、「すすきの」すなわち風俗の世界に根付いています。 札幌市でのポール・ダンスの実践にも研究調査を行うことで、より多角的にこの現象への理解が深まることが期待できます。
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Causes of Carryover |
2019年度において、14日間をわたって東京で研究調査を行う予定でしたが、大阪と京都のポール・ダンスの共同体への調査に集中することになり、東京での滞在期間を短くしました。そのため、次年度使用額が生じました。 その使用計画は、参考書を購入して、コロナウイルスのために調査が延期になっている間に先行研究のレビューをさらに深める予定です。
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Research Products
(2 results)