2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Yogurt Food Culture in Japan and South Korea
Project/Area Number |
19K13473
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
YOTOVA Maria 立命館大学, 食マネジメント学部, 准教授 (80733683)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ヨーグルト / 乳食文化 / 米食文化圏 / 地域ブランディング / 企業戦略 / 日本 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はフィールドワークが可能になったため、大手乳業メーカーのブランドだけではなく、地域に根差した「ご当地ヨーグルト」にも注目し、酪農の歴史や乳業メーカーの商品開発、ヨーグルトの価値形成について研究調査を進めた。その目的は「ご当地ヨーグルト」が地域ブランディングとしてどのように機能しているのかを明らかにすることであった。具体的には第1回全国ヨーグルトサミットが開催された茨城県小美玉市を訪れ、イベント企画の狙いや効果、住民の関わり方や残された課題などについて行政担当者、乳業メーカー、酪農家、イベントに携わった住民に対してインタビュー調査を行った。また、現地の酪農場やヨーグルト工場、地元の食材を扱う商業施設などの見学や関係者への取材を通して、「ご当地ヨーグルト」の商品開発や販売促進、地域への貢献の取り組みについて把握しようとした。彼らの語りからうかがえたのは、生産者としてのこだわりやネットワークづくりのための努力、そして茨城住民としての誇りである。 さらに、栃木県や九州の乳業メーカーおよび観光牧場への調査を通して、それぞれが地域ならではの特徴を生かした乳製品やサービスを提供しているとともに、地産地消・交流・地域再生の拠点として機能している可能性が明らかになった。そこで見えたのは、地場産業としての酪農・乳業の重要性であり、地域ブランディングやシビックプライドに寄与する「ご当地ヨーグルト」をめぐる新たな展開である。 このような調査結果について、第37回日本観光研究学会全国大会や和食文化学会第5回研究大会で研究発表を行い、これまでの若手研究の成果一部をまとめた。また、2022年度は一般社団法人Jミルクのネットワークを利用して、学際的なワークショップ「乳の未来を探る」を企画・実施し、近現代日本の乳食文化の発展について異なる分野の研究者が意見交換できる場として活用した。
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