2020 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental study for mode of co-existence through foodstuffs for Chinese dishes in Southeast Asia
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19K13474
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
佐久間 香子 東北学院大学, 経済学部, 講師 (50759321)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食 / ツバメの巣 / 贈与 / 共在 / ボルネオ / 華人 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外フィールドワークが実施できない今年度は、(1)これまでの研究活動において構築してきた調査地の人間関係を基盤に、数種類のオンライン・コミュニケーション・ツールを利用して、インタビューを試みた。同時に(2)同様のテクノロジーを利用して、研究会を開催して研究者コミュニティの中で意見交換する機会を持ち続けた。そして、(3)幅広く文献資料を渉猟・分析してきた。以下、それぞれの概要を記す。 (1)インフォーマントの多くが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大以前から、山林の村から都市部へ移住あるいは稼ぎのための一時的な滞在をしていた。感染拡大がボルネオ島にも及び始めて以降、人々は感染を恐れて熱帯雨林の村に帰ったため通信環境が悪く実施が困難となった。日本から連絡の取れるインフォーマントは、通信環境が比較的良い村落や地方都市に身を寄せる人々などに限定されることとなったが、彼(女)らとはスマートフォンのアプリ(WhatsAppとLINE)を使って、非常時における食糧確保と分配、共食の状況(メンバーや場所)を断続的に聞き取ることができいる。また、調査地域の研究者とは主にZoomを使って意見交換することができた。 (2)では、小規模な研究会を2カ月に1回のペースで開催すると同時に、所属学会の各地方の例会や若手研究者勉強会と共催することで、オンラインならではの他地域から幅広い研究者と議論する場を形成することができた。 (3)資料調査の対象はこれまで、調査地域に関連する資料に偏る傾向が強かったが、より広域な資料分析をすることで、研究の射程が広がった。 以上の研究活動に加えて、立命館大学 国際言語文化研究所から刊行されている『言語文化研究』32巻1号(2020年7月刊行)において、これまでの研究を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外フィールドワークができない状況で、どのように本研究課題を進めていくのかが、コロナ禍での大きな課題だった。しかしながら、本研究課題ではすでにボルネオにおいても香港においても、初段階のインタビュー調査を実施してきた経緯があったため、通信環境が良好な場所にいるインフォーマントに限定されたが、オンラインで連絡を取り続けることができた。 加えて、これまでの成果は『言語文化研究』32巻1号(pp.95-102)で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始当時と違って、オンラインで聞き取り可能なインフォーマントと、そうでないインフォーマントという一時データに偏りがでてきた。新型コロナウィルス感染症の終息後にフィールドワークを実施することで、この偏りを修正できるかどうか、今後、研究成果をまとめる上で課題となる。
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Causes of Carryover |
海外フィールドワークのための旅費が、新型コロナウィルス感染症の世界的流行のため執行することができなかった。他方で、研究を前に進めるためには、(1)オンラインでできる限りインフォーマントや研究者コミュニティとコミュニケーションを持続させること、(2)これまで以上に幅広い資料を渉猟すること、この2点が不可欠である。 以上の理由により、オンラインでのコミュニケーションに必要な環境整備費と資料購入費が多くなった。
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Research Products
(1 results)