2020 Fiscal Year Research-status Report
葬儀の変化メカニズムに関する人類学的研究 :現代韓国の葬儀革新・保存運動を中心に
Project/Area Number |
19K13477
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
金 セッピョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 特任助教 (00791310)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 葬儀 / 映像人類学 / 表象 / アート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、従来の文化人類学における葬儀を捉える理論的枠組みが固定的な時空間に限られて有効なものであり、現代の目まぐるしく変化する葬儀を捉えるには不十分であるため、葬儀の変化を捉える理論的枠組みの土台をつくることを目的としている。その際、韓国の事例を中心としながらも、これまで研究した日本の事例と合わせて比較的に考察しようとしている。 今年度は、現代の韓国・日本の葬儀の変化に関する研究者とアーティストの映像作品を一堂に集めて上映し、また製作者たちを招いて行った議論を記録・編集したものを中心とする書籍の刊行を目指した。映像に現れる様々な葬儀の変化の様子や、葬儀の変化を経験している主体でもある製作者たちが行った議論は、理論的枠組みの土台をつくる上で重要な事例となる。また、書籍の最後にはこれらの事例を分析した論考が掲載される。葬儀の変化を収めた作品を、アーティストの映像・研究映像の区別なく上映し、議論するという試みはこれまでなかった。様々なディシプリンを超えた製作者が集まって作品上映と議論を行ったことで、葬儀の変化の研究、またその記録や表現のあり方について新しい知見を得ることができた。その知見を同じテーマで研究・制作している人々に届ける必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行のため、現地調査を行うことができず、これまで集めた資料整理に当たっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
韓国との往来ができるようになるまで、引き続き資料整理に当たる方針である。
|
Causes of Carryover |
現地調査に行けなかったため次年度使用額が生じた。今後の現地調査や資料整理に使用する。
|