2019 Fiscal Year Research-status Report
レソトにおけるジンバブエ移民行商人の会計方法にかんする人類学的研究
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19K13478
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
早川 真悠 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (20720361)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人類学 / レソト王国 / ジンバブエ移民 / 行商 / 会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、南部アフリカにおける人びとの「固有の会計方法」を明らかにすることにある。具体的には、南部アフリカ・レソト王国におけるジンバブエ人出稼ぎ移民の行商活動について、彼ら独自の会計方法(価値の計量、財産管理、取引記録)に焦点を当て人類学的調査をおこない、その結果を近代会計や監査制度と比較する。 今年度は以下のとおり(1)現地調査、(2)研究成果発表、(3)文献調査をおこなった。(1)2019年8月29日~9月20日までレソト首都マセルで現地調査をおこなった。ジンバブエ系移民が多く暮らす郊外地区に滞在し、彼らの経済活動について参与観察をおこなった。商売のサイクル、ジンバブエとのネットワーク、頼母子講などについて概略を把握した。また、現地滞在中は国立レソト大学人文学部のセミナーで発表をおこない、大学で人文・社会科学を専門とする研究者と意見交換をおこなった。とりわけジンバブエ人の歴史学者や経済学者から有益なコメントを得られた。(2)日本アフリカ学会第56回学術大会にて、レソトのジンバブエ移民行商人にかんする発表をおこなった。その他、インフォーマル経済にかんして研究会で発表し、巨大数にかんする雑誌の特集号にジンバブエの貨幣についての論考を寄稿した。(3)貨幣やインフレにかんする経済人類学の文献調査をおこなった。とくにF. Neiburgらによる南米インフレ経済の研究を踏まえ、ジンバブエにおける人々の貨幣の使い方の特徴がより明確になり、現地調査をするうえでの手掛かりを得た。 なお、研究計画では2~3月にも現地調査を行う予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響から中止とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた現地調査ができなかった。 (1)今年度は現地調査を8~9月と2~3月の二度おこなう予定だったが、2~3月については新型コロナウイルスの影響から断念した。 (2)8~9月に3週間の現地調査をおこなったが、十分な期間ではなかった。行商人は掛売りした商品の代金を、1カ月~3カ月後に集金する。今回の調査期間は、1カ月に満たなかったため、商品の販売、集金、仕入れのサイクルの詳細について実態がつかめなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
・貨幣や行商、信用にかんする文献調査を進めながら、可能となり次第、現地調査を再開する。 ・現地調査はなるべく1カ月以上の調査を試みる。それが難しければ、調査期間を月末から月初に設定し、行商人の集金について詳しく調査できるようにする。 ・現地調査の可能性について検討しながら、経済人類学やレソトにかんする文献研究を進める。
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Causes of Carryover |
・新型コロナウイルスの影響で、2~3月の海外出張を中止したため。 ・可能であれば今年度レソトでの現地調査を再開し、海外出張費として使用する。
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