2019 Fiscal Year Research-status Report
デジタル化の進展と集団的労使関係法の変容-争議行為法理の基礎研究
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19K13532
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
植村 新 京都女子大学, 法学部, 准教授 (10733975)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 争議行為 / ドイツ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、デジタル化の進展に伴って就労形態が多様に変化しうる中で、労務の不提供を主たる内容とする争議行為法理はこうした事態にいかに対応すべきかを考察するものである。争議行為はこれまで労務の不提供を軸に展開してきたため、労務の提供態様が変化すれば、その影響を裏面からダイレクトに受けることになる。 今年度は、1.上記の目的を達成するための参照軸としてドイツ法の検討を行うとともに、2.日本の集団的労使関係法全般(労組法上の労働者概念、組合の内部問題、団体交渉、労働協約)とデジタル化の進展との関係を検討した。 1に関して、ドイツでは大別して、労務の不提供を中心とする伝統的な争議行為をデジタル化された雇用社会に適合的なものへと変化させていこうとする議論(支援ストライキの拡張やフラッシュモブを利用したストライキ等)と、デジタル技術を駆使したまったく新しい争議行為を発展させていこうとする議論(サイバー空間上での集団的行動による業務阻害)とがあること及びそれらの議論をめぐる判例・学説の状況が(完全にではないものの)明らかになった。これらは、争議行為に関する議論そのものが少ないわが国に新しい分析の視角をもたらすものといえる。2に関して、日本における争議行為法以外の集団法分野での議論が争議行為法に影響を及ぼす可能性はないかを検討した。この可能性については、現在も検討を継続中である。2の点についても、争議行為法理に関する示唆を導くにあたって参照したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はドイツ法を検討するという研究計画に則り、おおむね目的を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度となる2020年度においては、ドイツ法の議論を包括的に研究するとともに、わが国の争議行為法理にもたらしうる示唆を提示する予定である。情勢の先行きが不透明な部分もあるが、可能であればドイツにおける文献調査や研究者へのインタビューも実施したい。
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Causes of Carryover |
年度末に購入したいドイツ法の書籍があったが、2019年度中の予算残額では購入できなかったため。
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Research Products
(1 results)