2020 Fiscal Year Research-status Report
居住継続支援の法的基盤の検討-災害救助法制と社会保障の接合を目指して
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19K13533
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
嶋田 佳広 佛教大学, 社会福祉学部, 教授 (40405634)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生活保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はコロナの影響により、当初の予定を大幅に変更せざるを得ず、想定通りには進まないままであった。そのため、文献研究を中心に進めたが、一方で、コロナショックとも一定の関係があるとも思われる、防災・減災にかかる法理や実務について、新たな問題意識をもって臨むことができた。同時に、困難な状況にある場合における社会的な保護のあり方について、日本社会保障法学会での報告(建設業にかかる社会的保護)や、今後の研究成果の発信や他の研究者とのジョイントも見据え、昨今議論が進んでいるベーシックインカムへの接近もある程度ではあるものの図ることができた。具体的には、ドイツにおいてもコロナによる危機が深刻化するなかで、最低生活保障制度である社会法典第2編、第12編へのアクセス改善が大幅に図られている。実際に受給者も増えており、平時の社会保障制度をコロナ災害にも延長してその機能を前進させる例がみられた。この点は我が国においては諸々の理由により遅れている点であるとも思われ、他方では、本研究の主眼である住居保障との関係で、住居確保給付金が大幅にその利用条件が緩和されるなど、社会保障制度における力点にもさまざまな状況変化が生じていることが明らかになってきた。最低生活保障制度のもう一つ上のところでどのように受け止めるか、またそうした制度と公的扶助制度との関係について、検討課題が浮かび上がっており、本研究においても意味のある前進点となりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内の制度について一定程度のあたりを得た上で、比較対象国となるドイツでの現地調査を考えていたが、コロナにより出張関係の予定はすべて中止となり、その点では当初の予定は見通しのたたないままとなっている。21年度に可能であればまき直しを図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
21年度もコロナの流行がなおもあるのではないかとの想定をおく限り、20年度と大きくは環境が変わらないが、そのなかでも、研究機関が移ったことをよい意味でジャンプアップの機会としたい。具体的には、オンラインジャーナルへのアクセスが改善され、また、いくつかの研究会においてもコロナ時代における研究のあり方や持ち方について一定程度安定してきたことも踏まえ、文献研究を中心に、社会的な状況変化をにらみながら、おこなうべき研究を進めていくつもりである。
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Causes of Carryover |
未使用額が生じたのは、出張が大幅に抑制され、とりわけ金額の大きい海外出張が一切不可能になったためである。また、今年度請求額の使用計画については、コロナ次第であるが、年度末までに海外渡航の可能性はなおも探りつつ、研究機関の変更(移動)に伴い、研究環境を精査することとあわせて、国内では導入例のないものの重要なオンラインデータベースへのアクセスを図るために使用したい。
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Research Products
(3 results)