2020 Fiscal Year Research-status Report
再犯予防と良き人生の両立を目的とする犯罪者処遇モデルの研究
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19K13545
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
相澤 育郎 立正大学, 法学部, 助教 (90715393)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 少年非行 / 自己申告調査 / 厳罰意識 / グッドライフモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度、犯罪・非行からの立ち直り、グッドライフモデル、再犯防止等の本研究課題にかかる成果は、論文2報、著書1報、学会報告1報である。上田光明=相澤育郎=大塚英理子「国際自己申告非行調査(International Self-Report Delinquency Study: ISRD)の日本における展開」罪と罰57(3),60-72頁では、社会学の研究者と共同で、日本における自己申告式調査の実施とそこから見えてきた課題を整理した。Tomoya Mukai, Yui Fukushima, Shigeru Iriyama & Ikuo Aizawa."Modeling Determinants of Individual Punitiveness in a Late Modern Perspective: Data from Japan"Asian Journal of Criminology, Asian Journal of Criminology(in press)では、心理学の研究者と日本における厳罰化意識の規定要因を検証した。 日本ソーシャルワーク教育学校連盟『社会福祉士養成講座・精神保健福祉士養成講座10「刑事司法と福祉」』(担当:第7章施設内処遇①成人)では、社会福祉士等になろうとする学生向けに、犯罪者処遇理論やグッドライフモデルの紹介を行った。 学会報告としては、アジア犯罪学会オンラインプレイベント「Exploring Criminology beyond Japan;一緒に国際学会で発表しませんか?」に参加し、若手研究者としての研究資金の獲得や海外での研究発表のコツなど一般的な話題提供をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画であった2020年アジア犯罪学会への参加は、新型コロナ感染症の影響により同学会が翌年に延期されたことに伴い、延期となった。また同じ理由で、海外調査(ニュージーランド)への訪問も不可能となった。 こうした状況を考慮して、研究計画を大幅に変更し、2020年度はその準備にあてることとなった。具体的には、受刑者支援を実施するNPO法人の協力をえて、グッドライフモデルの仮説検証を目的とした、受刑者に対するアンケート調査を実施した。またこの受刑者に対する調査と比較する目的で、同じ質問項目で一般人に対してネット調査を実施した。これらはすでに、調査の実施と集計作業を終えている。 また社会福祉を専門とする研究者と共同で、グッドライフモデルの視点も踏まえた受刑者のための社会復帰ハンドブックの作成に着手した。現在は、基礎的な文献の収集と検討をしており、その成果を学会で公表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず2020年度に実施した、グッドライフモデルの仮説検証を目的とした受刑者と一般人へのアンケート調査の結果を、2021年に日本で開催されるアジア犯罪学会の個別報告で公表する(エントリー済み)。そこでの指摘を受けて、同研究結果を海外ジャーナルに投稿することを予定している(投稿先未定)。また社会福祉学の専門家と共同して、グッドライフモデルの視点を踏まえた受刑者・支援者のための社会復帰ハンドブックの作成を進める。具体的には、現在進めている文献調査の結果を学会で報告した後、出所者支援を行っているNPO法人の協力を得て、出所した元受刑者にインタビュー調査を実施する予定である。その結果を踏まえ、ハンドブックを作成、2021年度中に公表することを予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で海外調査ができず、旅費の執行が十分にできなかったため。翌年度分と合わせて、可能であれば旅費として使用する。
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[Book] 刑事司法と福祉2021
Author(s)
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟
Total Pages
278
Publisher
中央法規出版
ISBN
4805882409