2023 Fiscal Year Annual Research Report
子の引渡し及び子との面会交流事件の展望―ハーグ条約実施法を契機として
Project/Area Number |
19K13554
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今津 綾子 東北大学, 法学研究科, 准教授 (80708206)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 民事訴訟法 / 民事執行法 / 子の引渡し / 親子交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度に当たる2023年度は、研究期間が最終段階に入ったことを踏まえ、研究成果の取りまとめに重点を置いて研究活動を進めた。具体的には、これまで収集した資料の分析、評価を進めるとともに、研究成果の公表としての論文執筆を中心に作業を進めた。 研究期間の全体を通じて、当初設定したテーマである子の引渡しや面会交流(親子交流)に関する民事手続法及び民事執行法の研究を重点的におこなってきたが、22年度以降は、それと密接に関連する問題として、離婚後の親による未成年子に対する監護費用(養育費)の負担に関する手続上及び実体法上の問題にも取り組んできた。最終年度である2023年度には、子の引渡しに関するもののほか、養育費の支払に関連するテーマについても論文の形で成果を取りまとめるに至った。 研究開始段階では必ずしも想定していなかったテーマとして、ここ数年にわたり政策上及び立法上の課題として取り上げられることの増えている国際調停及び国際仲裁についても、研究対象に追加した。渉外性のある婚姻・離婚事件においては、訴訟ではなく調停や仲裁(ADR)による解決を求めるニーズが少なからず存在すると考えたためである。こちらについても、本研究期間内に一定の成果を公表するに至っている。 以上のほか、研究テーマに関連する社会活動として従前から引き続き行っているものとして、離婚及びこれに関連する家族法制の見直しに関する諮問により設置された法制審の家族法制部会への参加がある。2023年度中に調査審議は完了し、現在国会において審議が進められている。
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