2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K13573
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| Research Institution | Aichi Gakuin University |
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Principal Investigator |
永岩 慧子 愛知学院大学, 法学部, 准教授 (90805582)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 請負契約 / 契約不適合 / 瑕疵責任 / 引取り |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2017年に成立した民法（債権関係）改正法（平成29年法律第44号）によって大幅な規定変更がなされた請負の契約不適合責任について、改正前民法のもとで展開されてきた債務不履行責任の一般規定と請負の瑕疵担保責任規定との適用関係をめぐる解釈論が改正によっていかなる影響を受けるのかという問題意識に基づいて、請負の契約不適合責任の法的位置づけを確認し、債務不履行責任規定との適用関係を明らかにしようとするものである。
2021年度は、本研究が比較の対象として示唆を得ようとするドイツ法について、近時の判例・学説を調査し、分析を進めた。ドイツでは、2002年の債務法現代化後、日本と類似する問題状況として、請負の瑕疵責任規定と一般給付障害法の規定との適用関係をめぐって多様かつ複雑な議論が生じている。そのような中、ドイツ連邦通常裁判所は、2017年1月19日の3つの判決において、この問題に対して初めて立場を明らかにし、学説では、この判決を受けてさらなる議論が展開されている。
他方、日本においても改正法が2020年4月1日に施行され、学説による検討も蓄積しつつある。そこで、この問題に対する日本の学説の指摘や議論の状況を整理し、ドイツにおける議論との対比を行なった。
以上の整理・分析から、日本法におけるあるべき解釈論の方向性を示すうえで、ドイツ法の議論をどのように参照することができるかなど今後の検討において必要と思われる視点を指摘した。これらの成果は、「ドイツ請負契約法における瑕疵責任 ―引取りの意義を中心に（3・完）」広島法学45巻4号94-47頁（2022年）として公表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に続き、期間全体を通して新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、海外での研究調査活動は困難となった。もっとも、文献入手の遅れ等は改善されたため、文献調査を中心に研究を進めることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の拡大を主な原因として研究期間を延長したが、研究計画全体に関する大きな変更はなく、当初の計画に従い、2019年度、2020年度、2021年度に続き、同様の視点において、研究を進める。本研究の目的である請負の性質に即した解釈論の提示に向け、これまでの研究成果を前提にさらに検討を深める。その成果は、いち早く学術雑誌等に公表できるよう作業を進める。
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、海外調査を行うことができなかったほか、国内の学会及び研究会が中止またはオンラインでの開催となり、予定していた旅費の支出が生じなかったため。次年度に可能であれば、海外調査のための旅費として使用する。引き続き渡航が困難な場合は、文献購入に使用する。
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Research Products
(1 results)
