2021 Fiscal Year Research-status Report
日本における家族と税制に着目した政権党の応答性に関する分析
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19K13588
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
豊福 実紀 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (30631725)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 比較政治 / スウェーデン / 女性の就労 / 政党 / 税 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本における専業主婦世帯を対象とする所得税減税を手掛かりとし、女性と家族に着目しながら、政権党と有権者の関係を問うものである。 2020年度からヨーロッパでの調査や国内外の学会への参加を通じて各国の事例に基づく比較研究を進展させる計画だったが、新型コロナウイルスのため、計画していた調査などを実施することができなかった。そこで2021年度には、2020年度に実施した日本についての研究を踏まえつつ、オンラインでの学会・研究会への参加、税制の発展に関する国際プロジェクトへの参加、文献調査などを通じて、政権党や野党の租税政策・女性政策についての理論的検討を進めるとともに、とくにスウェーデンの事例に焦点を当てた研究を進め、論文を執筆した。 スウェーデンの税制改革の事例は、日本の女性就労抑制的な税制を考えるうえで示唆に富んでいる。スウェーデンでは1970年代初頭に社民党の長期政権のもと、女性就労抑制的な世帯単位課税に代えて個人単位課税を導入する税制改革が実現したことが、女性の就労が大幅に拡大する契機となった。ただしそれまでの社民党は、ブルーカラーの男性労働者の生活を支える世帯単位課税を支持する立場をとっており、ホワイトカラーの女性労働者に有利な個人単位課税の導入には消極的だった。それは日本の左派政党の立場とも重なるところがある。各政党の立場や、それに基づく政党間競争のあり方が、税制などを通じて女性の就労に影響を及ぼしていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスのため、2020年度から延期していたヨーロッパでの調査などを2021年度にも実施することができなかった。上述のとおり2021年度にも一定の研究成果は得られたが、各国の事例に基づく比較研究に関しては、計画どおりに進展していない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を検討し、ヨーロッパでの調査実施をめざすと同時に、海外渡航を伴わない研究手法の拡充も検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、ヨーロッパでの調査などの海外渡航を延期したため、次年度使用額が生じた。できるだけ早期にヨーロッパでの調査などを実施することで、助成金を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)