2021 Fiscal Year Research-status Report
Structural Analysis of Incorporated Administrative Agencies towards comparative understanding of public service reform in Japan
Project/Area Number |
19K13600
|
Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
中村 絢子 国際大学, 国際関係学研究科, 講師(移行) (10769699)
|
Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 独立行政法人 / 組織構造 / 行政学 / 行政改革 / 政官関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、1)独立行政法人に関するサバイバルデータの完成、2)文献調査、3)英国エクセター大学における研究会及び国内外の学会での成果報告を、行う計画であった。 1)データの完成については、後述の学会報告を基に、変数を増加した。特に、政策分野コードおよび、独立行政法人の機能についての変数は、独立行政法人の生存に関わる重要な説明変数となるため、この点を強化してきた。しかしながら、コロナ禍もあり、データセット作成の進捗状況については、予定より、遅れている。2)文献調査については、国外論文の収集を予定通り行うことができた。その中で、政府組織の変容と生死に関する理論面についての文献調査は、今後の本研究の出版可能性を広げる発見があった。一方で、国内の独立行政法人に関する文献を見直す必要がある。3)学会報告については、2021年4月に、独立行政法人の2001年から2020年までの改廃に関するこれまでの研究成果を、Political Studies Association 2021 Annual Conference (Online, Dublin, Ireland)およびMidwest Political Studies Association Annual Conference (Online)において発表した。上記学会での、Q&Aを基に、さらに独立行政法人についてのデータセットの変数を追加するとともに、文献調査を行った。2021年夏ごろ、データセットの拡大に伴い、新たにVAIOのラップトップPCを購入した。 2022年4月には、最新のデータセットと文献調査を基に、独立行政法人の改廃の形式に関する研究成果を、Political Studies Association2022 Annual Conference(Online,York、UK)で、行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、1)独立行政法人に関するサバイバルデータの完成、2)文献調査、3)英国エクセター大学及び国内外の学会での成果報告を行う計画であったが、コロナ禍の為、1)と3)において計画が著しく遅れている。まず、1)サバイバルデータセットの完成については、①政策コード変数の入力および②独立行政法人の機能コード変数の入力が必要不可欠であるが、こちらはまだ完成していない。原因として、2021年以降、オミクロン株の流行により、実子の通う保育園が、度々休園となったこと、また、園において実子が、濃厚接触者と認定された場合、ベビーシッターなどの業務遂行に必要な育児補助も受けることも難しい為、教育と研究活動の並行は困難を極めた。教育活動はもちろん、本研究の遂行のための時間を確保することが難しく、2022年もこの様な対コロナ方針が続く限り、 研究の進捗は著しく遅れることが予想される。2)の文献調査については概ね予定通りである。3)エクセター大学の研究会については、2021年夏期の渡航を予定していたが、こちらもコロナ禍により、渡航が難しい為、延期となった。エクセター大学には、エージェンシー研究を専門とする研究者が複数在籍しているため、研究完成前に一度意見を聞きたいが、実施時期は未定である。 全体として、コロナ感染拡大が長引く中、公私ともに、対コロナ対策の制限を受け、研究の遂行が難しいとしであった。2022年以降、コロナに関わる行動規制の緩和と研究活動の復調を強く望む。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、まず、コロナ禍で遅れた1)サバイバル分析に向けた、データセットの完成に費やす予定である。文献や必要情報の収集に研究予算を費やすことを第一とする。①政策分野コードの入力、②独立行政法人の機能に関するコードの入力は、本年度中の完成を目指す。その他、政治的介入を示す変数の導入可能性を検討しながら進める。 次に、2)これまでの文献調査、および3)国際学会での研究発表から、理論的・記述的な報告においても、査読誌に出版可能なアジェンダがあることが判明した。特に、「エージェンシーの組織改正の形態とそのパターン」および「エージェンシーの生死の定義」については、これまで数点の記述報告及び理論的討論に注視した論文があることが判明した。そこで、本年度内において、日本におけるエージェンシー制度の経験が、こうした議論にどのような新たな見解を加えられるかを検討・分析し、補足調査を行ったうえで、年内に査読誌への提出を計画している。3)学会発表については、引き続き、国内外でのオンライン・対面両方の参加を模索する。エクセター大学における研究会については、今夏の実施を目標に、予算を割り当てていく。 いずれについても、コロナ禍における行動制限により、変更の可能性がある。不測の事態については、その都度対応するとともに、コロナの一日も早い終息を望む。
|
Causes of Carryover |
当初の予算計画では、1)独立行政法人に関するサバイバルデータの完成、2)文献調査、3)英国エクセター大学及び国内外の学会での成果報告のために、1)リサーチアシスタントの雇用によるデータセット作成、2)文献収集にかかる消耗品費、3)学会参加の交通費を計上していた。しかしながら、コロナ禍の為、1)では、対外的なリサーチアシスタントの確保が難しかったこと、2)では、ほとんどの文献が図書館のオンラインソースで収集可能だったことに加え、文献を購入した際に、所属機関からの繰り越しができない研究費がありこちらを優先的に使用したため、次年度使用額が生じた。また、3)の学会発表およびエクセターでの研究発表会の為に、当初計上していた予算については、コロナ禍の為、国際学会が全てオンラインとなり、交通費・宿泊費が発生しなかったこと、また、学会参加費などは、前述の所属機関の次年度繰り越し不可の予算内で賄えたこと、さらに、エクセターでの研究会が延期になったことが、次年度使用額が生じた要因である。 2022年度においては、コロナ禍の状況を見ながら、予算の使用を積極的に行う。特に、1)データセット作成にかかる経費については、オンラインでのアシスタント雇用等を検討しながら、重点的に予算を消化させる予定である。3)の国際学会およびエクセター大学での研究会については、コロナ禍の状況を見ながら予算を使用していく。
|
Research Products
(3 results)