2022 Fiscal Year Research-status Report
Structural Analysis of Incorporated Administrative Agencies towards comparative understanding of public service reform in Japan
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19K13600
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
中村 絢子 国際大学, 国際関係学研究科, 講師(移行) (10769699)
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Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2024-03-31
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Keywords | 独立行政法人 / エージェンシー / 省庁組織編成 / 行政改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下である。 第一に、これまでの研究成果を、2022年4月に、国際学会Political Studies Association Annual Conference 2002 にオンラインで参加し、これまでの研究成果をパネルセッションにて公表した。ペーパータイトルは、"Antagonism or Familiarity?: Political leadership, bureaucratic autonomy and the survival of executive agencies in Japan."である。上記学会でのフィードバックを基に、政策コードを新たな変数として加えた。更に、研究の進捗状況を踏まえ、本研究計画当初に設定した独立行政法人の観察期間を2001-2020年から、2001-2021年に延長した。 第二に、これまでの研究成果及び今後の研究方針の確認の為、2022年7-8月に英国エクセター大学にVisiting Scholarとして滞在し、Oliver James, Alice Mosely, Stephen Greasley等を交えた、ワークショップを開催した。ここでの意見交換を基に、コードブックの改定と変数の再編集を行った。 第三に、2023年1月には、独ポツダム大学教授であり、昨年、早稲田大学のVisiting Fellowとして来日していたJulia Fleischerを国際大学に招き、省庁組織編成研究についての意見交換を行った。独立行政法人を含め、今後、当該分野の研究においてどのような国際的協力ができるか、検討した。 最後に、日本語での成果については、これまでの研究で分かったことを基に、2023年10月刊行予定の『公共政策事典』(丸善出版)の「独立行政法人」の項を担当し、2023年3月に第一稿を、出版社および編集者に提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度も、コロナウィルス感染症の影響が長引き、研究の進捗は当初より、やや遅れた。 当初は、2022年度内でのデータセットの完成を目指していたが、2021年度夏季に予定していたエクセター大学へのVisitingScholarとしての訪問が、一年遅れの2022年8月に実施することとなった。エクセターでの話し合いを踏まえ、今一度新たな変数の検討が必要になったため、データセットの完成が当初の2022年から2023年にずれ込んだ。 関連して、当初予定していた、査読誌への日本の独立行政法人についての記述的報告論文の提出は、2023年度以降に繰り越しとなった。 また、引き続きコロナウイルス感染症拡大の影響で、関係各所へのインタビューの実施等、質的研究の部分は、実施されなかった。こちらも2023年度以降の実施を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、次の推進方策を段階的に実施する。 1.データセットの完成:当初2022年度末(3月)完成予定だったデータセットの完成を、2023年10-12月に延長する。新たな変数を加えて、より正確に独立行政法人の改廃メカニズムを明らかにする。 2.質的調査の開始:独立行政法人の関係者、特に理事以上の職位を経験した実務者にインタビューを実施する。 3.論文執筆:データセットの完成に伴い、独立行政法人の生存分析についての論文を執筆し、査読誌に提出する。 4.研究機関の延長:コロナにより、研究進捗が遅れたことを加味し、1年間の研究機関の延長申請を検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、第一にコロナ禍において、当初予定していたフィールドワークができなかったことがある。独立行政法人関係者へのインタビューなどの質的調査に必要な交通費・旅費を消化することができなかった。 第二に、再びコロナ禍の為、参加の国際学会がオンラインで行われ、参加の実費が、オンライン登録料のみとなったことがある。当初計上していた、交通費(往復航空券含む)旅費を消化する必要がなくなり、使用額が生じた。。 2023年度は、コロナの終息後、フィールドへ出ることが今までより容易になること、また、多くの学会がオンラインから対面に戻ること、また、世界的なインフレの影響もあり、国際学会参加にかかる交通費・旅費が増加することが考えられるため、こうした点から、予算を積極的に消化することができると考えている。
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