2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis on Political Influence of Agricultural Gruops and FTA Policy Results - through the Comparison between Japan and Korea
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19K13610
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
柳 ヘリム 名古屋商科大学, 経営学部, 講師 (90791781)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日韓FTA / 農業団体 / FTA政策決定過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
現時点で、日韓の農民団体とFTA政策に関連する文献調査が終わり、日本の農民団体とFTA政策に関する分析は終了している。以下、2019年度に行った研究によって、明らかになった点を説明する。まず、JAの一強体制が維持されているため、FTA政策に関する日本の農民団体の政治的リソースには大した変化は見られていないが、集権的なTPP制度の導入といった制度変化によって、農民団体の政治的影響力が低下したことが分かった。特に、2000年から2012年までの日本のFTA政策は、FTA交渉での4省システムを中心とする分権化した推進体制によって進められたため、農民団体は政府内のFTA政策決定過程で影響を及ぼす制度的な装置が多くあったことを明らかにした。しかし、2013年以降になると、官邸内にFTA交渉組織が形成されるなどして、首相を中心としたより集権的な制度構造に転換したが、その制度変化により、農業団体がFTA交渉過程に影響を与えるチャネルが減ったことも明らかにした。この研究に関しては、海外学会で報告(Title:“How can we explain results of Japan’s FTA negotiations since 2013? Changes in political influence of a Japanese agriculture group and institutional channels of FTA(Korean Political Science Association、2019年12月6-7日開催))を行い、査読誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本の農民団体とFTA政策に関する分析は終了している。この研究に関しては、学会報告を行い、論文としてまとめることができ、査読誌に投稿する予定である。さらに、韓国の農民団体とFTA政策の関連性における研究も順調に進んでおり、本来は今年の7月に開催予定であったInternational Political Science AssociationのWorld Congress(Lisbon, Portugal)で、報告する予定であった。これらの理由により、本研究は、現時点でおおむね順調であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、韓国の農民団体とFTA政策の関連性における研究も順調に進んでいるが、日本の農民団体とFTA政策を分析した枠組みを用いて、韓国の農民団体とFTA政策の関連性を分析しているところである。これらに関して報告する予定であった国際学会が、コロナウイルス感染症の拡大によってキャンセルされたため、報告できる他の研究会や学会を探し、コメントをもらいながら論文としてまとめる予定である。
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