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2022 Fiscal Year Research-status Report

スペインとイタリアの比較研究に見る連邦制的分権化改革の帰結

Research Project

Project/Area Number 19K13611
Research InstitutionNanzan University

Principal Investigator

永田 智成  南山大学, 外国語学部, 准教授 (20734932)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords分権化 / 独立運動 / 地域政党 / スペイン / イタリア / カタルーニャ
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題としては最終局面に来ているが、コロナ禍では十分にできなかった現地調査を実施し、その成果をまとめるために、研究期間の延長を申請した。2022年度は、2021年度までに得た知見をまとめる作業を実施した。すなわち、統一通貨ユーロに参画するという目的で民営化と分権化がスペインとイタリア両国で進展し、その分権化要素が中央集権化に資することなく、地域の独自性を高めるものへとつながったという見方である。分権化は地域の力を強めただけでなく、地域政党の強化および立場の向上につながった。
こうした知見から着想を得て、日本政治学会では「スペインにおける政党システムの変化」について報告を行なった。スペインでは国政において少数与党政権が生存可能なのは地域政党が強力であり、閣外協力により生存可能であるという報告の一部は、上記研究成果から着想を得ている。政党システムの変化に関する論文は、2023年6月頃公刊される予定である。
また2019年度以来の現地調査ができたことも大きな成果であったが、同時に新たな課題も発見した。現在のカタルーニャでは独立運動は沈静化しているように感じられ、専門家からの意見聴取でも、独立が最適解ではないという結論に市民が至ったという見解を示している。では、どうして沈静化したのか。コロナ禍という特別なファクターがあることは承知しつつも、社会運動が沈静化に至るプロセスというものがあるならば、その再検討も課題である。
今後はまとめることができなかった統一通貨ユーロへの参画と分権化の問題について、論文として公刊することを目標としたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

統一通貨ユーロへの参画がスペインとイタリア両国における分権化の進展において大きな役割を果たしたということが仮説として浮上しているが、それを論文として公刊できていない。また現地調査をこれまでほとんど行うことができず、今年度ようやくそれが可能となり、新たな課題も発見することとなった。その新たな課題についても、本研究課題の課題の範疇と考えており、引き続き検討することとなる。以上の理由から、進捗状況においてはやや遅れていると判断した。

Strategy for Future Research Activity

2つの課題解決に向けて検討したい。
ひとつは統一通貨ユーロに参画するという目的で民営化と分権化がスペインとイタリア両国で進展し、その分権化要素が中央集権化に資することなく、地域の独自性を高めるものへとつながったという見方について、査読所見を検討しながら再度論文として投稿し、本研究の締めくくりとしたい。
同時に、独立運動の沈静化についても、現地調査の知見を交えながら、報告できるように努めたい。

Causes of Carryover

2022年度末に現地調査を行った際、ポストコロナということもあり、多額の金額を予算に組み入れたが、そこまでの金額にならなかったこと、またその清算が完了していないため、差額が生じている。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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