2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13612
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
森山 花鈴 南山大学, 社会倫理研究所, 准教授 (40635702)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自殺対策 / 政策過程論 / 地方自治 / 公共政策 / 行政学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域(市町村)における自殺の現状および自殺対策に焦点をあて、市町村において必要とされる自殺対策の政策モデルを提示することを目的としている。そのため、2019年度(初年度)は、市町村における自殺対策の現状把握と、実態分析のための自殺者数・自殺対策に関する資料収集を実施した。また、実際に展開されてきた地域の自殺対策がどれだけ若者世代に認知されているのかを確かめるため、大学生に対して地域資源に関する基礎調査も実施した。 研究実績として挙げられるのは、まず、2019年5月に新潟大学で開催された日本行政学会2019年度総会・研究会での発表である。そして、9月に南山大学で開催された第43回日本自殺予防学会総会(大会長)での発表である。また、論文としては『アカデミア社会科学編』第17号(南山大学)へ投稿を行った。 海外調査としては、2020年3月にフィンランドへ赴き、国の機関である国立健康福祉センターと地域での対策を実施しているエスポ―市の福祉サービス施設を訪問した。ここでは、行政担当者や行政の精神科医からヒアリングを実施した。さらに、自死遺族支援に関する調査のために、フィンランドにおいて精神障害者支援や自死遺族支援を行う民間団体からもヒアリングを実施した。 なお、国内では、自殺対策には自殺予防の観点と自死遺族支援の観点があるため、必要とされる自死遺族支援については自死遺族団体の関係者からヒアリングを実施した。さらに、毎月自殺対策に関する研究会を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、地域の自殺対策に関する資料収集や情報収集ができたほか、論文の執筆や学会発表だけでなく、新型コロナウイルス感染拡大前に当初は研究期間の後半に予定していたフィンランドでの調査も実施することができたため、おおむね順調に進展していると思われる。また、自殺対策に関する研究会も毎月実施することができ、最新の知見を得ることができており、ヒアリングも実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、政令指定都市・市町村へのインタビュー調査を実施し、それぞれの自治体から公表可能なデータをさらに入手した上で、政令指定都市同士・市町村同士の自殺者数比較を実施していきたい。さらに、自死遺族に対し、効果的だと思われる政策や必要だと思われる政策についてインタビュー調査を実施していきたい。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、対面でのインタビュー調査が厳しくなる可能性があるため、アンケートや電話を活用した方法を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
初年度内に日本国内において自殺対策に関する調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考え、2年目に繰り越したため次年度使用額が生じている。予算は2020年度(2年目)に調査を実施し、使用する予定である。
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Research Products
(3 results)