2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Decrease of a Government's Legitimacy on Forming Domestic Security Governance
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19K13629
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 葉月 金沢大学, GS教育系, 講師 (00778938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 途上国のセキュリティ・ガヴァナンス / 中央政府の正当性 / ネパール紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は前年度の経験を基に、新型コロナウイルスの蔓延状況から年度内のネパールへの渡航は難しいと判断し、当初の現地調査の予定を変更して、ネパール人の研究協力者と協力してオンライン・インタビューを実施した。特に、調整を経て実現したネパール内戦時の国軍士官へのインタビューからは、内戦時の戦況や軍事援助の実態に関して先行研究と異なる詳細な証言を得られたため、作成中の論文に新たな知見を加えることができた。研究成果は、同年12月に開かれた国際安全保障学会2021年度年次大会で「紛争時における中央政府の正当性の低下とセキュリティ・ガヴァナンスへの影響-ネパール内戦を事例として」と題した発表を行い、貴重なフィードバックを得た。 また、セキュリティ・ガヴァナンスに付随する問題点を理論的に検討した"Security Governance with Human Rights Non-Compliant Actors: Who is Responsible for Metagovernance Failure?"を、2021年7月に出版されたSecurity and Safety in the Era of Global Risks (Routledge)の所収論文として刊行した。また、立命館大学大学院国際関係研究科では、"A Decline in Government Legitimacy and its Impact on Human Security: A Case of the Nepal Conflict"として、研究を紹介するゲストレクチャーを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はネパールの新型コロナウイルスの蔓延状況を見て、オンライン・インタビューを国内から調整して実施することで対応した。ただ、パンデミックにより現地調査は初年度の一回しか実施できておらず、研究を完成させる上で必要な資料やインタビューの機会が不足していることから、当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外のネパール人研究協力者と調整しながら、内戦時の政府関係者へのインタビューなどの追加現地調査を実施する予定。また、論文に上記の追加調査結果を盛り込み、年度内に学術誌への論文投稿を行う予定。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、予定していたネパールでの現地調査ができなかったため。現在は同国での状況が改善しつつあり、追加調査の可能性を検討している。
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