2020 Fiscal Year Research-status Report
"Appeasement" Reconsidered: Continuities and Discontinuities in British Diplomacy, 1866-1939
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19K13634
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大久保 明 名古屋大学, 法学研究科, 准教授 (90802728)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宥和政策 / イギリス外交 / 国際連盟 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウイルス感染症をめぐる社会的混乱が研究計画にも影響を及ぼし、本来予定していた海外における資料調査が不可能となった。そのため、オンラインで収集可能な資料や、前年度までに収集した資料を中心に研究を進めた。また、勤務先の異動があったため、異動先での設備面での研究環境の充実化にもエフォートを費やした。 2020年度は主に、1930年代のイギリス政治外交に関する一次史料、政府高官の個人文書、各種二次資料などの整理・読み込みを行い、学術論文の執筆を進めている。研究上の当面の焦点は、1932年から1934年にかけて開催されたジュネーヴ軍縮会議に当てている。同会議に際してのイギリス政府当局者の目標や世界情勢認識、とりわけ軍縮と再軍備を両立する方針に関してのイギリス政府内での政策協議の経緯を明らかにしたいと考えている。 上記と並行して、19世紀後半以来のイギリスの対ヨーロッパ政策に関する各種資料の読み込みも実施した。20世紀の両大戦間期に関する一次資料に基づく独自の研究成果と、19世紀に関する二次資料に基づく知見を合わせて、イギリス宥和外交の長期的特徴を明らかにしたいと考えている。 また2020年度は、書評を『西洋史学』に寄稿することができた。アウトプットとしては不十分と認識しているが、学術への一定程度の貢献はできたとも考えている。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、本格的な研究成果の発表には今しばらく時間が必要となったが、2020年度の遅れを挽回できるように準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の余波により、当初予定してた海外における資料調査が不可能になったことに伴い、一定の遅れが生じている。一方で、研究計画初年度(2019年度)の資料調査は順調であったため、全体としての遅れは致命的というほどではなく、挽回可能な範囲である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、海外における資料調査が困難となりそうである。しかし、海外渡航が困難な期間はオンラインによる資料調査やすでに保有する資料の整理・読み込みを行い、論文執筆に時間を充てることで、大きな遅れの無いように努力したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により海外における資料調査が不可能となり、当初予定された旅費が計上できなかったことにより、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、海外調査が可能となった場合には調査費用、不可能な場合には資料遠隔調達費や研究用の物品購入に充てる。
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Research Products
(1 results)