2020 Fiscal Year Research-status Report
Political Situation in Palestine and Behavioral Logic of the Non-State Actor: Analysis of Domestic and Foreign Strategy of Hamas
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19K13642
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
江崎 智絵 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (70647297)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パレスチナ / ハマース / イスラエル / 国際関係 / 地域研究 / 紛争 / アメリカ / 中東和平 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、初年度に収集した資料を読み込むとともに、本研究が掲げる2つ目の視座である「ハマースと近隣中東諸国との関係」に焦点を当てた現状分析を行った。それにより、ガザ地区の平穏化に利益を見出す国々が人道支援の実施に向け一定の協力体制を構築するものの、ガザ政策を通じた特定の国家との協力が他国への牽制を意味するという中東国際関係の一端を明らかにすることができた。一方、この視座については、ハマースをめぐる域内国際関係をより大きな地域的パワーバランスの文脈で捉えることが今後の課題として浮かび上がった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年5月に育児休業から復職し、初年度に収集した資料の整理、読込みや分析が当初の計画より遅れていることに加え、コロナウイルスの感染拡大により、計画していたイスラエル、ヨルダンおよびエジプトでの調査を実施できないでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、本研究が掲げる第1の視座である「パレスチナ内部のパワー・バランスにおけるハマースの動き」について資料の整理を加速し、分析を深めていく。次に、第2の視座である「ハマースと近隣中東諸国との関係」については、今年度の研究を通じて中東における存在感を強めているトルコの動きに着目するとともに、ハマースとの関係を把握する必要性があると思われるため、事例研究として取り組んでいく。さらに、現地調査については、依然としてコロナウイルスの感染状況に左右される可能性が高く、実施の見通しが不明であることから、過去の現地訪問の際に確立した現地の研究者とのネットワークを強化することなどにより補完するとともに、来る現地調査の下準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う渡航制限により、2020年5月に育児休暇から復職した後も、当初予定していたイスラエル、ヨルダンおよびエジプトでの海外調査を実施することができなかったことが最大の理由である。現地調査については、今年度もコロナウイルスの感染状況に応じてその実施の可否を判断せざるをえず、助成金は主に資料収集を目的とする物品の購入に用いられると思料する。
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Research Products
(4 results)