2021 Fiscal Year Research-status Report
Political Situation in Palestine and Behavioral Logic of the Non-State Actor: Analysis of Domestic and Foreign Strategy of Hamas
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19K13642
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
江崎 智絵 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (70647297)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ハマース / パレスチナ / イスラエル / 国際関係 / 地域研究 / 紛争 / アメリカ / 中東和平 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が掲げる第1の視座である「パレスチナ内部のパワー・バランスにおけるハマースの動き」について、研究会や講演会などでの報告を通じて明らかにできた部分が多かった。ただし、そこで説明できたのはある現象の背景としてどのようなパレスチナ内部のパワー・バランスがあるのかという点に過ぎず、それではハマースの行動原理に生じうる変化を捉えることができないのではないかという疑問が生じる。そのため、ハマースを一枚岩的な組織として扱うという視点から脱却し、その指導層内部の関係というよりミクロの視点から分析する必要がある。本研究の第2の視座である「ハマースと近隣中東諸国との関係」については、2020年に立て続けに交わされたイスラエルとアラブ諸国との国交正常化後の情勢をフォローする一方、当該年度の課題のひとつとしてきた対トルコ関係の分析は、必ずしも十分とは言えない状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の課題のひとつは、ハマースをめぐる域内国際関係をより大きな地域的パワーバランスの文脈で捉えることであった。具体的には、中東情勢におけるトルコの位置付けとともに、トルコとハマースとの関係について分析を深めることであった。しかし、実際には、イスラエルとハマースとの関係という動向分析に時間を費やさざるを得ないことが多く、トルコとハマースとの関係については、依然として課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
ハマースとトルコとの関係について研究成果をまとめるとともに、当該年度に新たに課題として浮上したハマース内部の分析を、アラビア語の資料を解読しながら進める。その結果を踏まえ、第1と第2の視点を交差させることでハマースの行動原理を導きたい。また、可能な範囲で、現地調査の実施を追及していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、当初予定していたイスラエル、ヨルダンおよびエジプトでの海外調査の実施に慎重にならざるを得ず、結果的に渡航することができなかったことが最大の理由である。
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Research Products
(1 results)