2020 Fiscal Year Research-status Report
地方の研修医不足を是正する医師臨床研修マッチング制度の設計
Project/Area Number |
19K13643
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
數村 友也 東京工業大学, 工学院, 助教 (50804960)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マッチング / メカニズムデザイン / 耐戦略性 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マッチング問題には様々な制約が存在する.医師臨床研修マッチングでは,研修医の都市部への集中を回避,離島や地方に研修医を配置することが望まれる.また,新型コロナウイルスのワクチン接種では,全ての地域で接種を円滑に行うため,十分な人員を確保できない地域に医師などを送る必要がある.本研究では,従来考えてられてきた性質である耐戦略性と安定性を満たしつつ,可能な限り上述のような制約を満たすマッチングメカニズムの設計を行う. これまで一対一マッチングモデルに焦点を当てて分析を行なってきた.より具体的に,配分に関する制約として,各病院は少なくとも1人は研修医を受け入れたい,という制約を考えている.昨年度はこのようなモデルにおいて,耐戦略性と安定性を満たすメカニズムの設計を行なった. しかし,このメカニズムが制約の観点から最も望ましいものかは明らかではなかった.すなわち,別の耐戦略的かつ安定的なメカニズムが存在し,そのメカニズムの方がより多くの病院に研修医をマッチさせる可能性は否定できない.そこで今年度はそのようなメカニズムが存在するかを検討した. 分析の結果,病院が2つで研修医が2人のケースにおいては,昨年度設計したメカニズムよりも望ましいメカニズムは存在しないことが明らかになった.一方,病院が3つで研修医が3人のケースでは,昨年度設計したメカニズムよりも望ましいメカニズムが存在することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も望ましいメカニズムの設計は本研究の中で最も困難な分析パートである.その点について限定的ではあるものの結果を得ることができた.また,それにより,今後の分析も円滑に行えると考えられる.従って現時点では分析は概ね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き最も望ましいメカニズムの設計を試みる.また,これまでは一対一マッチングに焦点を当てていたが,多対一マッチングについても考える予定である.多対一マッチングにおいて,これまで設計したメカニズムが自然に拡張できるかを検討する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により,予定していた出張等がキャンセルとなったため.出張が可能となった場合は出張費用に充てる予定である.
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