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2019 Fiscal Year Research-status Report

The impact of market-mediated consumer networks on innovation diffusion processes

Research Project

Project/Area Number 19K13674
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

佐藤 正弘  東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60622214)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
Keywords消費者学習 / 社会的学習 / 製品イノベーション / 製品安全
Outline of Annual Research Achievements

2019年度は、最初の研究対象として、第一に、イノベーション普及過程における消費者学習の役割について分析を行った。具体的には、企業が製品安全にかかわる事故や事件を起こした後、当該企業の製品が再普及する過程で、消費者の社会的学習が果たす役割を検証する実証モデル作成するとともに、日本で2013年末に発覚したアクリフーズの冷凍食品農薬混入事件を取り上げ、モデルの推計を行った。モデルには、各地域の小売の場での社会的学習以外に、新聞記事などのマスメディアからの印象が購買再開に及ぼす影響を組み込んだほか、製品バーコードレベルの購買ビッグデータの利点を活かし、階層ベイズモデルによるシミュレーションを行った。その結果、購入再開時期が早い消費者ほど、小売の場で対象企業の製品に接する頻度が高く、健康被害が起こる確率の低さを早期に学習する一方、価格を重視する度合いは小さいことや、よりリスク回避度合いが低いことを明らかにするなどの成果を得た。これらの成果については、2019年度に経済産業研究所の研究会にて数回にわたり詳細な報告を行ったほか、2020年度には同研究所ディスカッション・ペーパー等の媒体で公表予定である。
第二に、たばこ税の税率引き上げが、ニコチン摂取量や製品代替に与える影響についても分析を行い、税弾性値で見ると既存研究が示唆するよりもたばこ需要を大きく低下させたこと、ヘビースモーカーは既存研究が示唆するよりもさらに強いたばこを選好するようになったことなどの予備的な結果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

購買ビッグデータの研究上の活用法として、新たに階層ベイズモデルに基づくシミュレーションの手法を導入し、当初の計画では予定していなかった社会的学習の視点に基づく新たな知見を得ることに成功した。

Strategy for Future Research Activity

第一に、製品安全危機後の社会的学習の分析については、経済産業研究所ディスカッション・ペーパーを改善し、最終成果物となる雑誌論文向け論文を完成させ、公表する。改善にあたっては、私的学習(自らの製品利用を通じた学習)と社会的学習の両方をモデルに組み込み、社会的学習モデルの妥当性の検証を試みる。
第二に、消費者の社会的学習に関するもう一つの研究テーマとして、先行者の行動や評価の観察が単一的である場合(homogeneous observation)と、消費者ごとに多様である場合(heterogeneous observation)とで、社会的学習の効率がどのように異なるかを実証データを用いて検証する。具体的には、前者の例としてオンライン・レビューを見た消費者、後者の例として地域の小売の場での消費者をとりあげ、同一製品でどのように購買行動が異なるのかを分析する。
第三に、たばこ税の税率引き上げの影響については、成果物となる論文を完成させ、学会報告等を行う。
第四に、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けた消費者行動の変容(買い占め行動、オンラインへの移行など)について、当該期間の購買データの入手可能性に応じて、これまでの社会的学習に関する研究成果を用いて分析を行うことを検討する。

Causes of Carryover

階層ベイズモデルによるシミュレーションをより効率的に行うために計算機器のプロセッサやメモリの高性能化を行う。また、新型コロナウィルス感染症拡大以降の消費者の購買データの購入を検討する。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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