2021 Fiscal Year Research-status Report
An empirical study on competitiveness of the bidding of the Japanese PFI on the basis of the firm's profit maximization
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19K13680
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
原田 峻平 岐阜大学, 教育学部, 助教 (70735224)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PFI事業 / 入札 / 競争性 / プロビットモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度までの研究で構築した意思決定モデル(プロビットモデル)を用いて、PFI(Private Finance Initiative)事業の入札に多数参加してきた大手建設会社(いわゆるスーパーゼネコン)がどのような要因によって各入札への参加の有無を決定しているのかを明らかにするための回帰分析を行った。回帰分析は、PFI事業のうち、庁舎整備など建設会社が主体となって行う41事業を取り上げた。大手建設会社4社の入札参加の有無を被説明変数、建設コストの大きさなどの「事業の魅力」、契約期間などの「事業リスク」、関東圏かどうかなどの「立地」、鉱工業生産指数などの「景気動向」、発注者が国かどうか、といった項目を説明変数とした。 その結果、建設コストの大きな事業や関東周辺で行われている事業では、入札に積極的に参加していることが明らかとなった。また、公共と民間のリスク分担や発注者との関係性についてどの程度考慮しているかは、会社によって異なることも明らかとなった。こうした行動は、大手ゼネコンの担当者に対して実施したヒアリングからもおおむね間違いないと確認することができた。 回帰分析結果は、地方での事業や必ずしも建設費用が大きくない事業においては、地元企業の積極的参画を促す仕組みや複数事業を束ねて発注するバンドリングが検討される必要があることを示唆するものである。これについて、地方自治体の担当者と地場の建設会社にヒアリングを行ったところであり、今後はその結果を踏まえてより適切な入札の制度設計のあり方について分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた回帰分析を完了し、有意な変数とその解釈についても進められている。それと関連し、大手建設会社や地場の建設会社の担当者、自治体担当者へのヒアリングもオンラインを中心に予定通りに実施することができたので、前年度末と比べると遅れを挽回できている。しかし、完了を予定していた研究成果の公表については、日本計画行政学会の全国大会で研究報告を行うことはできたが、論文投稿については年度末の時点でまだ執筆途中であり、研究報告での指摘やヒアリング調査の回答内容を踏まえていくつかの変数での解釈の修正を行う必要が生じたこともあり、次年度に延長して実施することとなった。以上から、やや遅れているものと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していたプロビットモデルを用いた回帰分析の結果の解釈とヒアリング調査は年度末時点で概ね完了しており、残っているのは論文の執筆と投稿である。論文の執筆については、ヒアリングの実施が年度末まで掛かってしまったために次年度に延長することとなったが、既に調査と並行して本文全体は概ね書き進めており、夏前には投稿まで進む予定である。その後に査読プロセスが始まるので、その結果を受けてモデルの修正や追加のヒアリング調査が必要となれば、適宜対応していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、学会報告がオンラインになり、ヒアリング調査の実施が年度末にオンラインでの実施に変更となるなど研究計画と経費の執行計画に変更が生じた。論文の投稿が次年度に延期することとなったこと受け、次年度は論文投稿にかかる研究費(論文校正費や投稿料)の支出を計画している。
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