2021 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of multifactor aggregate function by dual approach and its applications to general equilibrium model
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19K13683
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金 志映 岡山大学, 社会文化科学学域, 特任助教 (00760779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Two-stage CES aggregator / Feenstra法 / 操作変数法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では以下のような原稿を執筆した。論文のテーマは、異なる国からの商品間の代替の弾力性の測定することであり、回帰推定における潜在的な内生性の問題を解決するために、操作変数法(IV)アプローチと、フィーンストラ法を使用した。 本研究で用いた具体的な商品の例は、日本が輸入した牛肉、豚肉、家禽肉である。2015年の産業連関表によると、日本は世界最大の食肉輸入国であり、これらの商品は、TPP、RCEP、および多数の二国間FTAなどの貿易交渉の対象となる。貿易自由化体制の福祉への影響を研究するためには、一般均衡モデルが標準的な分析ツールとして使われており、本モデルの輸入需要モジュールは通常、アーミントン弾力性によって構成される。本研究では日本のアーミントン弾力性を、前述の2種のアプローチを用いて計測した。 分析の結果、2種のアプローチによって非常によく似た結果が得られることが分かった。結果の類似性により、フィーンストラ法の推定内で効果的に機能していた暗黙型の操作変数と、十分に関連性があると判明した外部操作変数との潜在的な互換性を調べた。データからフィーンストラ法の暗黙型の操作変数を抽出するために、本研究ではフィーンストラ法の推定から得られる逆(供給)関数の傾きのパラメータを利用した。第 1 段階の固定効果回帰に 操作変数を適用する利点は、第 1 段階の集計が第 2 段階の回帰の説明変数に入力されるだけでなく、計測するためにも利用されることである。 フィーンストラ法の暗黙型の操作変数を抽出すると、固定効果回帰で外国商品の集合体を測定し、おそらく商品ごとに外国と国内の置換弾性を推定するために、外部操作変数と同じくらい有用であることが分かった。これらの弾力性は、関税撤廃の効果を検討するために利用できると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、分析の結果をまとめた英文の原稿を査読付き学術雑誌に投稿したので、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は英文ジャーナルに投稿した原稿の査読結果を待っている状況である。査読の結果が出次第、修正するなど掲載のための推敲を行う予定である。 なお、本研究の分析結果を生かして、関税の効果を検討する研究などに展開していくことを考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、学会参加や研究の打合せなどが出来なかったため、次年度使用額が発生した。次年度に出張などを通じて使用する計画である。
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Research Products
(1 results)