2022 Fiscal Year Research-status Report
Estimation of multifactor aggregate function by dual approach and its applications to general equilibrium model
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19K13683
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金 志映 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (00760779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Two-stage CES aggregator / フィーンストラ法 / 操作変数法(IV)アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では昨年度の原稿をベースに修正を加えて、ディスカッションペーパーとして公開し、査読付きジャーナルに投稿した。研究のテーマは、異なる国からの商品間の代替の弾力性の測定することであり、日本の産業連関表のデータを用いた。分析対象は昨年度と同様に食肉輸入に焦点を当てた。 貿易自由化体制の福祉への影響を研究するためには、一般均衡モデルが標準的な分析ツールとして使われており、本モデルの輸入需要モジュールは通常、アーミントン弾力性によって構成される。ただし、回帰推定における潜在的な内生性の問題があるため、それを解決するために、操作変数法(IV)アプローチやフィーンストラ法の二種類のアプローチを採用して、アーミントン弾力性を計測した。幸い、本研究で試みた二種類のアプローチは、非常によく似た結果が得られたため、その結果を原稿としてまとめた。 本研究での成果をベースに、今後は分析対象を他の業種の商品に広げる上、他の国のデータとリンクさせたモデルへの拡張も視野に入れている。産業連関表というデータの特性のメリットを最大限に利用し、より多様な商品の弾力性を、より正確に測る方法を開発する予定である。構築されたモデルや開発された分析方法は、今後、TPP、RCEP、および多数の二国間FTAなどの国際貿易モデルにおける関税撤廃や関税率引き下げなどの政策の効果のシミュレーションや政策評価にも有効に使用されることと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による活動の自粛や、ジャーナルに投稿した原稿の査読に1年以上かかっている状況のため、予想よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
査読の結果が出次第、修正するなど掲載のための推敲を行う予定である。 なお、本研究の分析結果を生かして、分析対象の商品の範囲を変え、他分野の分析に応用する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により、出張や共同研究、学会報告などを自粛したため。その分は次年度の研究に使用する予定である。
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